今日は「キングズバースデー」(国王の誕生日)という祝日です。昨年までは「クイーンズバースデー」でした。オーストラリアに国王がいると知って驚く方もいらっしゃいますが、オーストラリアは英連邦に属しているので英国王が元首なんです。
ちなみに、エリザベス女王もチャールズ国王も本当の誕生日は全く違います。この祝日は、冬のスキーシーズンの始まりに連休を作るために6月に設定されていますが、今年はスキー場に雪は無いそうですよ。
さて、祝日でもうちの夫は仕事です。
今朝は我が家の前の道路で4頭ものカンガルーに遭遇しました。
うちの夫を勤めているツールショップまで送って行った時のことですが、家を出たのは6時過ぎ。真っ暗でしたけど、この時間帯というのはカンガルーに遭遇しやすいんです。
向こうからピョンピョンと飛び跳ねながらやって来るのが見えました。
「おおお!3頭もいる!」
助手席に座っていた夫は、目がよく見えなくなっているんですが暗いと特に見えませんから、頭をいろいろ動かしていました。視野の中の見える部分を探して見ようとしていたんでしょうが、なかなかカンガルーは見えなかったようです。
3頭のカンガルーは道路脇の草が生えている部分を向こうからこっちに向かって跳んで来たのですが、少し離れた所にもう1頭いました。かなり大きなやつでした。
4頭めのカンガルーは道路のど真ん中をやって来たので、私はスピードを落としてカンガルーが行き過ぎるのを待ったんですけど。
危ないんですよ、カンガルーって。よく衝突事故の原因になるんです。ぶつかったら車は壊れますからね、オーストラリアの田舎道を早朝に走る時は注意しないといけません。
ところで、
夫が勤めているツールショップはしょっちゅう泥棒に入られているんですけど、昨日もまた泥棒が入ったそうです。夫の店舗がセキュリティーに問題があるわけではなくて、どのツールショップも泥棒に入られています。本当にムチャクチャ多いです。
「泥棒」というキーワードで検索すると、過去の面白い話をいろいろ読んでいただけますよ。
夫が勤める会社では、いくつかの店舗に夜間に泥棒に入られて大きな被害を出していますからね、各店舗のセキュリティー対策はどんどんすごいことになっていまして、夫の店舗なんて頑丈なフェンスと鉄のボラード(進入を阻止するための地面から突き出した杭)と複数の鉄の扉で護られています。
夜間に盗みに入るのは不可能に近いです。
ですからね、泥棒は営業時間にやって来るんです。
昨日は日曜日でしたし、スタッフは夫を含めて4人しかいなかったのに、うちの夫は店内でのセールスではなくて別の部屋でデスパッチ(商品の受け取りや発送)の仕事をやっていたそうですが、店内にいるスタッフから「ゲートに立って下さい」というメッセージが来たのだそうです。
それはどういうことかと言うと、泥棒が店内にいるということなんですって。
夫は金属探知機を手に持って出入り口に立ったそうです。立っているぞということを客に知らせるために時々音を鳴らしながら立っていたそうです。
その時店内にいた客は4人でしたが、どの人が泥棒かは分かっていませんでした。
2人は良く知っている客でした。その人達は泥棒ではありませんから、怪しいのは残りの2人。チワワを抱えた小柄なアジア人の男と、首の上まで入れ墨が見えている歯抜けで巨体の男でした。
うちの夫はクマのように大きな身体をしていましてね、これまでにも泥棒と格闘したことが何度もあるのですけど、この巨体男は取っ組み合いになりたくないタイプだったそうです。
チワワを抱いた小柄な男が出て行こうとしました。金属探知機で調べます。
「ちょっと!なんでこんなことをするんですか!」
「あなたが何も盗んでいないことを確認するためですよ、どうぞ出て下さって結構です」
それを見て、突然回れ右をした人がいました。巨体男でした。身をかがめるようにしてこそこそと店の奥へ戻ったので超怪しいです。
普通に歩けばいいのにねえ、なんで身をかがめて歩くのか。男の心理がそうさせているのですよ。
男は店の奥の一角に行ってしゃがみ込み、何かやっていましたがそれは見えませんでした。再び出入り口の方にやって来ました。うちの夫が金属探知機で調べます。
「なんだオマエ!その機械はホンモノか?ちょっと見せろ!」
「それは出来ません、どうぞ出て下さって結構です」
巨体男が外に出た後で、男がしゃがみ込んで何かやっていた場所に行ってみたら、盗もうとしたらしい商品が隠してあったそうです。
この巨体男と出入り口のところで対峙した時に、うちの夫はもしもの時のことも想定しているわけで、自分より大きくて強そうな男を相手にしてアドレナリンが出まくっていたはずなんですって。
ですからね、何事もなく終わった後で気持ちが悪くなったと言っていました。
専門の警備員を雇っているところもありますが、店のスタッフが警備員の仕事もやらなくちゃあいけないというのは大変ですよね。
ツールの知識が豊富でセールスの仕事も好きだけど、金属探知機を持って「ゲートに立つ」仕事は自分には出来ないと言って辞めて行ったスタッフもいるのです。
泥棒の中には、スタッフに止められて服の中を見せろと言われた時に、イチかバチかで逃走を試みて、スタッフに体当りして止めようとするスタッフを振り払って逃げ切るやつもいるんですよ。
そう言えば、何週間か前には逃げ切れなくてナイフを取り出した泥棒もいましたよ。あの時、店のスタッフはショッピングカートを使って闘ったのでした。泥棒は駆けつけた警察に強盗の現行犯で逮捕されましたけど。
大変な仕事ですよ。私には絶対にできません。
最近は、泥棒が違法薬物中毒者であることが多いそうで、そいういう人達は見ればすぐに分かる場合が多いのでスタッフも警戒できるんですけど、盗みのシンジケートが組織的にやっているケースが増えているそうです。
どこでどうやって求人しているのか知りませんが、薬物中毒者とかを雇って盗みに入らせて、盗んだ商品はシンジケートが組織的に売りさばいているのです。
先週は、メルボルンのツールショップが一致協力して、あるシンジケートの泥棒被害を防いだという出来事がありました。泥棒達もシンジケートも捕まっていないので、終わった話ではないんですけど。
ドイツの電動工具メーカーで「フェスツール」というのがあるんですけどね、このメーカーの商品は世界中で人気がありますが、非常に高額なんです。
この高額なフェスツール商品だけを狙った泥棒シンジケートが活動中だという情報が、競合する他社のツールショップから入ったそうです。
いろんな店に盗みに入っていたらしくて、被害に遭ったツールショップからは店内の防犯カメラに写っていた容疑者の画像付きで注意喚起メッセージが送られて来たらしいですよ。
こうして分かっている情報を共有することで多くのツールショップがフェスツール商品の盗難に備えたんだそうですけど、実際に盗みを行っている泥棒達は警察も特定しているそうですが証拠が無いためになかなか捕まえられないのだそうです。
そして、このシンジケートは、盗んだ商品をオーストラリア国内で売らずに海外で売りさばいているために、捜査が困難なんだそうです。だから、ツールショップは自衛するしか無いんですって。
近頃は、人工知能により人の顔や画像を自動認識する技術が発達していますけど、自動認識したお客の車のナンバープレートと警察のデータベースを使って泥棒を識別できる防犯カメラというのを導入するところもあるそうですよ。
泥棒との終わりなき闘いは続くのでございます。
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