来月は税制年度の最終月でセールがありますから忙しくなることは確実なので、休めるうちに休んでおくことにしたんだそうです。
余分に働いた分の時間がたまっていて、その分を休まないといけないのになかなか休めないのでね、昨日のように休めるチャンスのある時には、たとえ半日でも休むのだそうです。
それはいいんですけど、息子に迎えに来てくれと連絡が来ましたので、息子が迎えに行きました。
ところがなかなか帰って来ないのですよ。
どこにいるのかと思って、GPSで居場所が分かる「Find My」アプリで調べると、ショッピングセンター内のスーパーにいることが判明。
また肉やベーコンやチーズを買っているに違いないと思いました。
すると「ベイリーフとタイムとパセリが家にありますか?」というメッセージが届きました。「全部あります」と返事をしたんですけど、1時間ほどして帰宅した夫は大きな買い物バッグ(保冷タイプ)を2つ持っていました。
また買い物バッグを買ったのか…
買い物バッグを持たずにスーパーに買い物に行って、夫はその度に買い物バッグも買うので、我が家にはものすごい数の買い物バッグがあるんですよ。これでまた2つ増えました。バッグは20個以上あります。
さて、
てっきり大きなかたまり肉やチーズを買ってきたんだろうと思ったら、バッグから取り出したのは、夫の嫌いなセロリ、ニンニク、ニンジン、玉ねぎ。そして白い紙包みが2つ。
「何をするの?」
「チキンストックを作るんです」
「インスタントのストックキューブじゃあダメなの?」
「ちゃんとしたストックを作ってアイリッシュ・ビーフシチューを作りたいんです」
チキンストックって、要するに鶏ガラスープのことですよ。中華だとネギや生姜を一緒に煮ますが、洋風の場合はセロリや玉ねぎやパセリなどを一緒に煮るのです。「ベイリーフとタイムとパセリが家にありますか?」とメッセージを送ってきた理由がこれでした。
ビーフシチューを作るのにチキンストックというのがアレなんですけど、そもそもなんでまたチキンストックから自分で作ろうと思ったんですかねえ。ツールショップのスタッフの一人から、アイリッシュ・ビーフシチューの話を聞いて作りたくなったそうなのですけど。
インターネットで見つけたレシピに従って材料を揃えたようです。白い包みは鶏ガラと牛肉でした。
早速ストックを作り始めた夫。
ところが買ってきた鶏ガラが鍋からはみ出ているんです。
「あのねえ、ストックを作る時はもっと大きな鍋でやらないとダメよ。ストック鍋っていうのを使うのよ」
この鍋を使いなさいと教える私。
夫は鶏ガラと一緒に煮込む野菜の準備をしながら、息子にベイリーフとタイムとパセリを取って来いと命令しました。
「どこにあるの?」
「ハーブ畑にいっぱい生えてるわよ」
「…」
「すぐ外にあるハーブ畑よ」
「…」
息子はベイリーフとタイムとパセリがどういうものかを理解していなかったのでございました。
仕方がないから一緒にハーブ畑に行き、と言っても玄関の横ですけど、これがパセリでこれがタイムでこれがベイリーフだと教えました。
しばらくしてキッチンに戻って来た息子が手にしていたのは、お料理の上にちょっと振りかける程度の量。ストックを作るのにそんな量では全く足りません。
夫が「タイムはこれの2倍くらい、パセリはこれの4倍くらい」と再び息子に取りに行かせました。
自分が作りたいくてやっているんだから自分で行けばいいのに、息子に手伝わせているのです。私は手伝いたくなかったのでその場から逃げたんですけど、その後息子は何度もキッチンに呼ばれて、最後は洗い物までやっていました。
レシピ通りにきっちり3時間煮てできたストックには、大量の油が浮いていましたけど、もう何も言いません、好きなようにしてください。
アイリッシュ・ビーフシチューを作るためのギネスビールも買って来ていました。
作り始めると「オリーブオイルはどこにあるんだ」「どれが普通の小麦粉なんだ」とキッチンから叫び続けます。そのたびに息子が手伝いに行くのですけど、我が家にある粉類のうち、どれが普通の小麦粉かを、二人とも知らなかったのには驚きました。
最近お料理をするようになった息子ですが経験が全く足りていませんしね、料理なんてめったにすることのない夫が作っているんですから、レシピに書いてある通りにするしかないのでして、息子がレシピを声に出して読みながら、ああだこうだと大騒ぎでした。
よし!これであと2時間煮るだけだ!
夫がそう言ったのは4時頃です。チキンストック作りが始まったのは昼前ですよ。
私は普段からガスや電気の節約を考えながら料理していますけど、そういう事は考えもしないわけです。
まあとにかく、2時間煮て、その後ふたを取って15分煮て、アイリッシュ・ビーフシチューは完成しました。シチューなんてコトコト煮ればできる料理ですけど、チキンストックから手作りしていますからね、6時間以上かかったシチューです。
大量の油が浮いていますが、それを丁寧に取り除いたりはしないのでした。表面は乾燥して膜が張ったみたいになっています。時々混ぜながら煮ればこんなことにはなりません。
トロッとしているはずのアイリッシュ・ビーフシチューですが、レシピ通りに作ったはずなのにサラサラで、最後に味見をして塩コショウで味を整えるなんてこともしないので(味見をしたって夫には何が足りないかなんて分からないそうなので)味が水っぽかったですけど、本人は満足だったことでしょう。
夫がレシピを読みながらお料理をしたというのは、ほとんど記憶に無いことです。楽しんでやったのならいいんですけどね。楽しかったらまた何か作りたいと思うはずですから。
それにしても、このアイリッシュ・シチューにかかった費用は相当ですよ。
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