2021年10月20日

蜘蛛の死骸と反射的反応

私のパソコンがある部屋からキッチンに通じる狭い廊下の床に、黒っぽいごみが落ちていました。掃除をしたばっかりなのに、誰がごみを落としたのかと思ってよく見ると、それはどうも死んだ蜘蛛のようでした。

蜘蛛は死ぬと長い足をクシャクシャっと縮めて小さくなりますよね。

私は死んだ虫は、ハエでも蜘蛛でも、指先で摘んでごみ箱へ入れるなんてことは平気でできます。ちり取りやほうきを持って来たりしません。ましてや掃除機などは不要です。

死んだ蜘蛛の足をつまむくらい誰でもできると思うんですけど、さわれない人もいますね。うちの息子はそうです。蜘蛛はもちろん、虫全般が苦手で、ちっちゃな蛾にも動揺します。

さて…

床に落ちていたその蜘蛛の死骸を捨てようと、

指先で蜘蛛の足をつまんだ、

その時です。

蜘蛛は死んでいなかったのだった!

最後の力を振り絞ったのかもしれません。

パッと一瞬のうちに縮めていた足を伸ばしたんです。

その蜘蛛は「ハンツマン」でした。こういう蜘蛛です。


あのねえ、

縮んだ状態で2センチくらいあるハンツマンっていうのは、足を伸ばせば結構な大きさになるんですよ。

「うわっ生きてた!」と驚いて放してしまったので、そのハンツマンは最後の力を振り絞っているとは思えない速さでシャシャシャシャと逃げました。

ハンツマンを逃がすわけにはいかないと反射的な反応が起きて、考える間もなく私がどうしたかと言いますと、

踏んだんです…

クシャッと音がして、ハンツマンは足を縮めて丸くなりました。

こういう時には、たとえとっさの反応でも、つぶれて中身が出ないようにかなり力を加減して踏むものですね。一瞬のことですけど、そういうことは考えるのです。

それにしても、

蜘蛛を踏み殺したくらいのことで激しく罪の意識を感じてしまうというのは、どういうことなのでしょうか。

私は思わずクモに謝りましたよ。

謝りながら、もちろん芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のことが頭をよぎりました。あのストーリーは、読んだ子供達の心にある種のトラウマを残します。


普段は、家の中でハンツマンを見つけた時は、生け捕りにして外に放してやるんですよ。殺したりしません。

ハンツマンは動きが俊敏ですから、生け捕りに使う容器や空き缶は大きめの方がいいです。

生け捕り方法を紹介するビデオがありますよ。以前書いた「巨大蜘蛛ハンツマン狂騒曲」という記事の中で紹介していますので、ぜひご覧ください。

踏み殺してしまったハンツマンは、つまんでゴミ箱に捨てました。

私はほとんどの虫は大丈夫なんですけど、どうしても苦手なのはムカデです。あれは絶対に叩きつぶして殺しますが、死んだやつを指でつまんで捨てるなんてできません。

オーストラリアに来てから20ウン年になりますが、ムカデを見たことがないんですけど、いなくて良かったです。

ムカデに比べたらハンツマンなんて可愛いものですよねえ。


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