昨日の10月27日は娘のサチの誕生日でした。19歳になりました。10代最後の誕生日でした。
子供たちの誕生日には、毎年必ずバースデーケーキを手作りしている私ですが、去年は娘が「バースデーケーキは作っても食べないから無駄なので作るな」と言うのに作ったのが、史上最低のバースデーケーキだったのですが。
今年も「ケーキなんか作らなくていい」と言う娘に、「いやいや、お誕生日なんだから作るよ」と、私は自分が作りたいケーキを作ろうと決めていました。作ったのは、私が最も愛好するモンブランケーキです。
このケーキには思い出があるのです。
うちの子供達が幼かった頃、私達家族は、夫の仕事の都合で一時期ですが日本に住んでいました。その頃、私はメンタルがおかしくなっておりました。
今思えば、「うつ病」は日本に行く前から始まっていたのです。夫が家を留守にしがちでほとんど母子家庭のような暮らしをしていましてね、いろいろとストレスもあったりして。あの頃は、具合が悪い時は家から出られなくなったり、家事もできなくなったりしていたのです。
当時、娘は6歳でした。
ある日、ちょうど「うつ」の波にザブンザブンとやられて暗い日が続いていた時、仕事から帰宅した夫が娘と一緒にどこかに出かけてしまいました。
外はすっかり暗かったので、あれは秋の終わりか冬のことだったのでしょう。
やっと帰宅した夫と娘。
あの二人はケーキ屋へ行っていたのです。
夫の話によると、娘のサチは、元気のないお母さんのために、お母さんがこの世で一番好きなケーキだと言っていたモンブランケーキを買ってあげようと思ったらしいのです。以前にそのモンブランケーキを売っているのを見たことがあったケーキ屋さんのある場所を6歳の娘が夫に教え、夕方の薄暗い中を夫に車を運転させて行ったそうです。
娘の道案内で無事にケーキ屋さんに着いたら、まだお店が開いていて、娘は「このケーキ」と指差してモンブランケーキを頼み、家族の分もそれぞれ選んで買って帰ったのです。
夫はモンブランケーキのこともそのケーキ屋さんのことも何も知らなかったので、6歳の娘の思いつきと行動力に感動していました。
「お母さん、お母さんはこのケーキが大好きなんでしょ?」
そう言ってモンブランケーキを勧めてくれた娘を、私は抱きしめて涙を流しました。
昨日作ったモンブランケーキは、お店のケーキのように美しい飾り付けではありませんが、とても美味しいんですよ。(私の簡単オリジナルレシピはこちら)
そしてね、何よりも、このケーキを作るたびにあの日のことを思い出すのです。胸がキュンとして、娘への愛情を強く感じる、特別なケーキなのです。
昨晩、うちの夫は、私が娘の誕生日にモンブランケーキを作ったと知って、
「やっぱり! このケーキを作るんじゃないかと思ったんだよ!」
と大興奮し、再びあの日のことを思い出して感動している様子でした。
心優しい娘は、さらに心優しく賢い女性に成長しました。10代最後の一年を楽しく過ごしてください。
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