2017年10月24日

マグナムというアイスクリーム

夫が勤めるツール販売会社の新店舗工事のアルバイトをやっているうちの息子ですが、先日、本当にハードな労働が続いてクタクタになり、「明日は休みたい…」と思い詰めていたようです。

ところが、親方ピーターさんは「工事が終わるまで毎日来てくれという」と言うし、厳しくて怖いピーターさんには「休みたい」が言えなかったらしい。

父親(うちの夫)も「工事が終わるまで毎日行け」と言っており、息子は普段からお父さんが怖くて反論できないので、「休みたい」が言えなかったらしい。

というのも、うちの夫はどちらかと言えば温厚で優しい人なのだけど、双極性障害2型の「躁(そう)期」だった頃は、感情の起伏が激しくて、腹が立つと我慢できなくなり爆発する傾向がありました。あの頃は怖かったんです。

まだ小学生だった息子は、インターネットを使い過ぎだと度々怒られていましたが、ある日怒り大爆発した父親に怒鳴られまして、それはもう非常に恐ろしい状況でして、家にいられなくなった息子は家出をしたくらいなのです。

はっきり言って、あの出来事はトラウマになっております。今でも父親に何か言い返そうとすると「ううっ」と胸に何かがつっかえたようになって、怖くて何も言えなくなるのです。

疲労困憊でとにかく休みたいと思い詰めているような時は、精神的にも弱っていますから、トラウマ経験がよみがえってさらに息子を苦しめているような感じでした。

最初のうちは、何が問題で様子がおかしくなっているのかが分からず、心配なお母さんは話しかけたりしてみたのですが、「Shut up!」と言われてしまいましてね。

息子は涙目で明らかに様子がおかしいから、心配で心配で…。

翌日、早朝にアルバイトに送っていく時に車内で少し話を聞いて、先程書いたような状況なのだと分かったわけです。

「休まないといけない時は休まなくちゃあいけない」と励ましてみても、全く元気は出ないのでした。

午後5時に迎えに行った時も、やっぱり元気はなくて、気分は落ち込んだまま。一日のハードな仕事を終えて、さらにぐったりしているのでした。

そこで、お母さんは途中でガソリンスタンドに止まり、あるものを買いました。

「マグナム」というアイスクリームです。


ここ2〜3年は買ったことがなかったのだけど、このマグナム、美味しいんですよ。驚いたことに、さらに値段が高くなってサイズが小さくなっていました。

息子の分だけじゃなくて自分にも買いました。ガソリンスタンドに車を停めて、車の中で一緒に食べました。

久しぶりの「マグナム」は、やっぱり美味しかったです。

私は、半分くらい食べてから車をスタートし、運転しながら食べました。息子は、黙ってゆっくり食べていました。

しばらくして、家が近づく頃、息子がポツリと言いました。

「お母さん、だいぶ気分が良くなったよ。ありがとう」
「そう? よかった」

美味しいものを食べると、元気が出る場合があります。

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