2015年11月21日

乳児用粉ミルクの爆買いと品不足

「中国人による乳児用粉ミルクの転売目的の爆買いのために各商店の棚は空っぽ!メーカーは増産に努めているが品薄状態が続いており、乳児を持つお母さんたちが困っている!」というニュースがあった。

よく聞けば、全ての粉ミルクが売り切れ状態というわけではなく、特定の人気商品が一部の人の買い占めのためにすぐに売り切れてしまうので、そのミルクを買いたいオーストラリアのお母さんたちが不満に思っているということなのだが。

問題になっている人気商品の一つが、「BELLAMY'S ORGANIC INFANT FORMULA」という商品で、メーカーのウェブサイトを見ると中国語のページもある。なるほど、この商品が中国で人気がある一つの理由かもしれない。


大手のスーパーマーケットは、一人の人が一度に買える数を制限したというが、それを無視して買い占めている人の映像がニュースに映った。じゃあ、レジの人はどう対応したのよ?


先日、Woolworths というスーパーで豆腐を買おうとレジに並んでいたら、私の前にいた女性が、まさにこの「BELLAMY'S ORGANIC INFANT FORMULA」の缶を3つ抱えていた。

するとその女性は、自分の番になるなりレジの女の子に対して、自分がどれだけの数のスーパーを回ってきたか怒り心頭な様子で感じで語り始めた。赤ちゃんの世話をしなくてはならないお母さんは粉ミルク探しができないので、おばあちゃんであるその女性が粉ミルクを探して方々のスーパー巡りをしているのだという。

「ニュースで見たけど、粉ミルク不足の話は本当なんですか」と後ろから声をかけた私を見て、いきなり「中国人が」「中国が」という言葉を使うのをやめたのは、私が中国人だと思ったのだろう。

粉ミルクを売っているスーパーや薬屋に立ち寄って粉ミルクコーナーを見てみたら、なるほど確かに一部の商品のところだけは棚が空っぽだ。しかし、オーストラリア国内の赤ちゃんが飲む全粉ミルクがなくなってしまったわけではない。無いのは一部の商品だけだ。それほど心配するようなニュースではないと思うし、爆買いしている中国人も違法なことをしているわけではない。

中国に郵送した粉ミルクは、オーストラリア価格の何倍もの値段で販売され、転売者は暴利を得るというのだから、そりゃ法律的に問題がないのであればいくらでも買い占めるよ、ビジネスチャンスなんだからね。そして、そこまで売れまくっているこれらの人気商品のメーカーだって、増産増売上増益のチャンスというわけでしょ。特に中国が一人っ子政策の廃止を決めて、今後赤ちゃんが増える可能性が出てきたわけだしねえ。

それにしても、ニュースが「中国人は悪者」調で、まるで「オーストラリアの赤ちゃんが危ない!」的だっただけに、メディアは怖いな…と思わされました。

お帰りの前に1クリック を!



0 件のコメント:

コメントを投稿