2015年11月1日

異母妹

家族に新しいメンバーが加わりました。と言っても、ペットとか赤ちゃん誕生のニュースではありません。

4人兄妹弟の私の夫に異母妹が見つかり、家族同然のお付き合いが始まったのです。

事の発端は、夫がまだ幼かった頃に、夫の父親が夫の母親(私の義母)に内緒で精子バンクに精子を提供していたことでした。提供された精子による人工授精で誕生した子供に対して、精子提供者から連絡を取ることは禁止されていましたが、法律が改定されてそれが可能になったのだそうです。

直接連絡をとれるわけではありません。(大体、提供した精子が何処の誰に使われたかも分かりませんしね。)生まれた子供が一定年齢に達していることも必要です。(精神的にショックを受ける場合がほとんどだそうですから…。)精子バンクを仲介して打診があり、子供が同意した場合に連絡を取る(手紙を書く)ことが許されるそうです。そして、お互いが同意すれば、実際に会うことも可能なわけです。

夫の父親が連絡を取ろうとしたのは30歳代の女性でした。非常に聡明な科学者でもあったこの女性は、自分が第3者提供の精子による人口受精で生まれたという事実がまったく寝耳に水の話でしたので最初は動揺したものの、生物学的な父親に大変興味を覚え、特に遺伝的な疾病について知る必要を感じて、夫の父親と会うことに同意したのだそうです。

その後、私の夫や夫の妹弟(私の義妹弟)とも会い、お互いに大変好意を持ったことで、家を訪ねたり、一緒に食事をするなどのお付き合いが始まりました。しかし、私は会いたいという気持ちにはならなかったんです。

実は、私は、夫の父親を長年嫌悪しております。あの男は、自分の妻には内緒で精子を提供していたんですよ。(他にもいっぱい妻には内緒でやっていたことがあるんだけど…。)夫の両親はすでに離婚しているとはいえ、今頃になって、自分が産んだ子供たちの異母妹や異母弟がいっぱいいると知った義母は、どんな気持ちでしょうか。それにですねえ、自分は両親の子どもと信じて疑わない見ず知らずの人に、単に興味があるという理由で今さら突然名乗り出るなんて、非常識だ!間違っている!と私は思うんです。

しかしね、本人たちは新しい兄妹関係を非常に楽しんでいる様子。特に、この女性は一人っ子だそうで、突然兄姉弟ができて大喜びしているという話でしたので、私もだんだん興味が湧いてきました。

それで、その女性と彼女の旦那様を夕食に招待したのです。

お二人はベジタリアン(菜食主義者)ということでしたので、夕食は和食にしました。揚げ豆腐を甘辛く煮たものと野菜&椎茸のちらし寿司、揚げだし豆腐のきのこあんかけ、あとは和え物と酢の物、そしてオーストラリア人に大好評の茄子の甘味噌グリル。

まあ、メニューはどうでもいいんですけど…。

彼女を一目見て、夫と生物学的な繋がりがあることが分かりました。顔が夫の父親に似ているのです。

この女性の名前は、ローラといいます。ローラと彼女の旦那様は、本当に話していて楽しい、好感のもてる人たちでした。大変教養があって話題が豊富、そして偉ぶらないで率直、礼儀正しく、かと言って堅苦しい感じが全く無い!

社交性の乏しい息子のカイや精神的に不安定で知らない人が家に来るのが嫌な娘のサチも、ずっと会話に加わり続けていたところからも、この二人がどんなに楽しく感じの良い人たちだったかというのが分かろうというもの。

私の夫や義妹弟たちがローラ夫婦を家族のように受け入れ、お付き合いするようになったのは、ひとえに彼女たちの人柄が本当に素晴らしいからということに尽きると思いますね。

次回は天ぷらにします。

是非また来てもらいたいです!

ちなみに、ローラの高齢のご両親は、ローラが生物学的な父親やその子供たちとこうして度々会って家族同然の付き合いをしていることは知らないそうです。知ったら悲しむだろうから教えないと言っていました。

親思いの優しいところも良いです。

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