2024年8月21日

ジャスミン・クロケット議員

米国の大統領選挙関連のニュースや YouTube 動画にやや中毒気味の私は、昨日から始まった米国民主党の全国党大会(DNC)にも注目しています。

4日間にも渡る大イベントですが、誰が演説するかも見どころの一つと言われています。全国党大会には、将来の米国を担うことになるライジングスター(希望の星)が登場することがあるからです。

2004年の全国党大会では、誰が大統領候補に選出されたかを覚えている人は少ないでしょうが、ある一人の議員の演説だけは超有名になりました。その演説を聞いたことがある方は多いと思います。

その議員というのは、当時全国的には無名だった若いイリノイ州選出の上院議員で、バラク・オバマという人でした。オバマ議員の演説に聴衆は熱狂しました。一晩のうちにライジングスターとなったオバマ議員が、4年後の大統領選挙で米国初の黒人大統領になったことは誰もが知ることです。

世代交代の年となった今年の全国党大会では、オバマ議員のような将来を担うことになる若いライジングスターの登場も期待されているわけです。

1日目に登場した人達の中で聴衆が思わず大興奮したのがテキサス州選出のジャスミン・クロケット(Jasmine Crockett)下院議員でした。名前が呼ばれた瞬間の大歓声がすごかったですよ。

この人は昨年議員になったばかりです。全国的にはそれほど有名な議員ではないかもしれませんけど、私はこの人のことは YouTube 動画で見て知っていました。

最初に見た動画では、議員らしからぬ派手なメイクとヘアスタイルとファッションで「何だこの人は?」と思ったんですよ。

ところが、この人は外見からは想像もしなかった頭のキレを見せるんです。若く見えますけど、ジャスミン・クロケット議員は20年のキャリアがある弁護士でもあったのです。

その動画を見た後で、SNSで拡散して超有名になったという動画を見たんですけどね、ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、共和党の議員からも嫌われているという陰謀論者でとても正気とは思えないドナルド・トランプ支持者の極右議員マージョリー・テイラー・グリーン(MTG)と丁丁発止を繰り広げる動画です。

マージョリー・テイラー・グリーン(MTG)が手をヒラヒラさせながら「フェイクのつけまつ毛がじゃまになってるんじゃあないですか?」とひやかしたことに腹を立てたオカシオ・コルテス議員が、MTGの発言は個人的な攻撃だから議事録から削除することと謝罪を求めたところ、MTGは「謝罪はしません」と繰り返し、共和党議員の議長が厳正に対応しなかったもんですからね、ジャスミン・クロケット議員が次のように言ったんです。

「じゃあ、もしもこの委員会の誰かが、別の誰かの漂白したブロンドや Bad-built Butch Body(作りの悪い筋骨たくましい体型)について話し始めたら、それは個人的な攻撃にはならないんですね?」

これが聞き取れなかったのが理解できなかったのか、議長が「は?なんて言いました?」と聞き返します。ジャスミン・クロケット議員はその侮辱的な言葉を繰り返すわけにもいかなくて困った顔をしますが、ちゃんと聞き取れた議員は笑っているという、そういう動画です。

ジャスミン・クロケット議員は、抑えがきかなくなっているトランプ支持者の共和党議員達を相手にストレスがたまり、議員になったことが正しい選択だったのかと悩んでいた時期があったそうです。

それを感じ取り話を聞いてくれて励ましてくれたのが、それまで会ったこともなかったカマラ・ハリス副大統領だったそうですよ。今年の大統領選挙で民主党の候補となっている女性です。

「自信に満ちあふれた強い人」という印象のジャスミン・クロケット議員ですが、昨日の演説中このことを話している時に涙ぐみました。


昨日のジャスミン・クロケット議員の演説は、バラク・オバマの演説のような熱狂は無かったですけど、聴衆へのアプローチは上手でした。すでに多くの民主党員から支持されていることは明らかです。彼女は注目するに値しますよ。

2日目の今日は誰が登場するのでしょうか。

ドナルド・トランプを二度と大統領にしてはいけないと訴える元トランプのスタッフを含めた共和党議員も登場すると言われていますね。

下手なドラマよりも面白い民主党の党大会。

目が離せません!


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