建国記念日のようなものですが、毎年1月26日と決まっています。1788年のこの日に英国からの第一船団がポート・ジャクソン湾に到着して植民が始まったからです。
つまり、オーストラリアという国が始まった建国の第1日目ということなんですけど、先住民族アボリジニの人々にとって、この日は「侵略の日」なんです。彼らの悲劇がこの日に始まったんですから。
こうした悲劇の始まりの日を「オーストラリア・デー」として祝うことに反対する人達は増えています。世論調査によると国民の多くが「オーストラリア・デー」の日付を変更するべき、あるいはこれに替わる祝日を制定するべきだと考えているそうです。
今年は「オーストラリア・デー」が金曜日だったので、土日を合わせて3連休になっています。
この連休を利用してうちの娘が帰って来ているんですが、昨日の「オーストラリア・デー」は、ヒールズビルという町の外れに住む義母(うちの夫の母親)と2人で一日を過ごしたんです。
うちの娘は、これまで何年も義母の家に行ったことはほとんど無くて、義母と一緒に何かすることに非常に消極的で、もっと言えば避けていたところがあるんです。
それにはもちろん理由がいろいろあったわけですが、義母に会いに行こうとと思ったのには理由があったそうですよ。
大学院で臨床心理学を勉強している娘は、現在ある病院のリハビリテーション科で研修中なんですが、ある患者さんの話を聞いているうちに自分の祖母(義母)のことを考えたんだそうです。
その患者さんというのは高齢のおばあさんで、家で転んで怪我をされてリハビリに来ていらっしゃるそうですけど、旦那さんはとっくに亡くなっておられて、精神的な問題があって暴力的な娘さんとは付き合いがなく、友人もいないので孤独で、暮らしは楽ではなく、家はごみ屋敷らしくて、まあとにかくお気の毒な人だったんですって。
義母はその高齢のおばあさんとは真逆で、とても恵まれた暮らしをしていますけど、ほとんど目が見えなくなっています。
高齢おばあさんの話を聞いて義母のことを考えた娘は、すぐに義母に電話をしたそうです。そして昨日は、義母と一日を過ごすことにしたのです。
義母は社交的で友人が多い人なので、娘が園芸に興味があることを知って園芸を趣味にしている友人2組を訪ねたそうです。
そのうちの1組は私達もよく知っているご夫婦で、お二人ともかつては学校の先生でした。うちの息子と娘が小学生の頃に夏休みを義母の家で過ごしたことがあるんですが、その時何度も訪ねて行って親しくなったご夫婦です。
当時は珍しい種類のニワトリを飼っておられて、うちの子供達にニワトリの雛の飼育方法をいろいろ見せて教えてくださったそうですよ。そのことについてうちの息子が作文を書いたのをご夫婦は今でも持っていらっしゃるんですって。
奥様はアルツハイマー病になられています。症状が進んで来ていますが、20年近くも前のその夏休みの出来事は良く覚えておられて、昨日はとても楽しいひと時を過ごしたそうです。野菜をいろいろもらって帰りました。
昨日は娘も楽しかったそうですが、義母は嬉しかったはずですよ。実際とても幸せそうだったと娘は言っていました。
今日は私と一緒に一日を過ごすんだと言っています。「行きたい所はないか」「したいことはないか」と聞いてくれるんですけど、見たかった映画も見たし、今は特にしたいことは無いんですよ。
家で一緒に料理をしたり散歩に行ったりして、ゆっくり過ごすのもいいのではないでしょうか。
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