昨日、我が家にABC放送の取材チームがやって来ました。
うちの夫が腎臓を提供した話はこのブログでも度々話題にしましたが、夫が参加したのは「Australian and New Zealand Paired Kidney Exchange (ANZKX) Program」という生体腎臓移植プログラムでした。
「健康な腎臓を必要としている患者さん」と「その患者さんに腎臓を提供したいと希望しているけど適合しないために提供できない人」という「患者&提供者のペア」で参加するエクスチェンジプログラムなんです。
患者さんが誰かから提供を受けて移植手術が行われた後に、その患者さんのペアの提供者は別の患者さんに提供します。提供された患者さんのペアの提供者も同様に別の患者さんに提供するわけです。
こういうエクスチェンジの場合、最初にボランティアの提供者が必要なわけで、うちの夫がその提供者になったのです。
昨年うちの夫が提供した時は、提供→移植→提供→移植→提供→…がどんどんつながって、16人の患者さんが移植手術を受けることが出来ました。32回の手術が行われたことになります。数としてはオーストラリア国内の新記録だったのです。
その時、メディアが取材に来ると聞いていたんですけど、手術の直後には取材は無かったんですよ。
先週になってANZKX 生体腎臓移植プログラムの方からうちの夫に連絡がありまして、ABC放送がこのことをテレビの番組で取り上げるのでインタビューに協力してもらえないかということでした。
もちろん夫は喜んでインタビューを受けると返事をしましたので、昨日取材チームが来こられたというわけなんです。
自分の家の中にカメラと照明がセットされて行くのを見るのは、とても興味深い経験でした。インタビューというのはこうやって撮影するのかと思いました。カメラは随分離れたところから撮っていました。
当然居間でするんだろうと思って入念に掃除をしておいたのに、インタビューをしたのはキッチンの隣りのダイニングテーブルの横でした。汚れたオーブントースターが背景に写っているかもしれません。
うちの夫はしゃべるのが得意な人ですから、よくもまああんなにペラペラしゃべれるもんだと感心するほど上手にしゃべりましたよ。想定される質問に対する答えをあらかじめ考えてまとめていましたから、話した内容についても感心しました。
インタビューが終わって照明器具やカメラなどを全部片付けた後、次はうちの夫が何か活動をしている様子を撮影するということだったんですが、プロデューサーの方が急に私にもインタビューさせてもらえるかとおっしゃったんです。
したくないとは言いがたい雰囲気でしたから、私もインタビューを受けることになりました。カメラマンは片付けたばかりものを取り出して再びセッティングをしました。
その間に私はどんどん緊張して行きました。
昨日は暑かったですし、インタビューが始まった頃には喉がカラカラに乾いていて、あそこで水を一口飲めば状況は変わったんでしょうが、水を飲ませてくださいと言っていいのかどうか分からないから我慢して続けているうちに、話すのにも苦労するほどカラカラになり、質問に対する答えよりもそのことばかりが気になって、インタビューはひどかったと思います。
終わってすぐに水を飲み、緊張が解けてから「ああ言えば良かった」「こう言えば良かった」と後悔ばかりでね。
あ~あ情けない…
「実力を発揮できない人」の典型でしたよ。
テレビに映るのなら少しくらいお化粧しとくんだったとか、もう少しマシな服を着ればよかったとか、そういうしょうもないことも後悔しました。
ABC放送のどの番組に取り上げられるのかも、それがいつ頃放送されるのかもまだ分かりません。昨日撮影したインタビュー映像のどの部分が使われるのかも分かりません。夫の話は長かったですからね。
腎臓の移植を受けた患者さんと提供者ペア2組にもすでにインタビューをしたとおっしゃっていましたし。
この番組がきっかけになって、腎臓移植を必要としている家族や友人がいる人々を含め、もっと多くの人々にANZKX 生体腎臓移植プログラムのことを知ってもらいたいし、うちの夫のようなボランティア提供者が増えて欲しいと思います。
ただねえ、私は自分のインタビュー映像はできれば使って欲しくないです。異常に緊張しているように見えてみっともないと思いますから。あるいは感情的になっているように見えたかも。途中で水を飲ませてくれと頼めばよかったんですよ、ホントにもう。
やっぱりこういうのは心の準備も必要ですけど、夫がやったように想定される質問に対する答えを考えておくという準備が不可欠でしょう。外国語でインタビューされるならなおさらですよねえ。
あ〜あ…
次回は、ちゃんと水を飲んでもっと上手にやりますよ。でも、テレビ局にインタビューされるなんて、二度と無いでしょうね。
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