昨日、うちの夫が照明ランプで足を照らしながら足指の爪を切っていました。
「自分で切れなくなったら言ってよ、私が切ってあげるから!」
私は半分冗談で言ったんですが、夫は困ったような顔をして「うん…」と言ったので、爪が見えなくて切るのに苦労していたと分かりました。
近い将来、本当に私が切ってあげなくてはいけなくなるでしょう。他人の爪を切るなんて、子供達が幼かった頃以来ですよ。ちょっと怖い気もします。
私の目も最近かなり悪くなっているんですけど、老眼鏡をかければ爪切りくらいは問題なく出来ます。いつかそれも難しくなったら、爪切りサービスを利用するしかありませんね。
うちの夫の目が見えなくなっているのは、遺伝性の黄斑変性「スターガルト病」という非常に稀な病気のせいですが、加齢性の黄斑変性になる人は多いと聞きます。
遺伝性の黄斑変性「スターガルト病」には治療法がありませんが、加齢性の黄斑変性は治療ができる場合があります。
目が見えにくくなった時に、黄斑変性かどうかをセルフチェックするのに「アムスラーチャート」というものが使われます。
メガネやコンタクトレンズは着けたまま、片方の目を隠して30センチくらい離れてこのチャートの真ん中にある中心点を見ます。「線が歪んで見えていないか」「中心点ははっきり見えているか」「欠けている部分はないか」をチェックします。
爪切りに苦労していた夫に、このチャートを見てもらいました。
3年前、ついに症状が出始めていることに気づいた時にも見てもらいましたが、あの時は線が歪んでいる部分があると言いました。
昨日は、真っ直ぐな四角の部分は無いと言いましたよ。格子は全部ぐにゃぐにゃで、中心点の近くは特にひどく歪んでいて吸い込まれて行くように見えるそうです。
周辺部には暗くて格子の線が見えないシミのような部分が沢山あるそうで、その暗い部分の場所は右目と左目で違います。両目で見る時には、それぞれの見える部分で補いながら、焦点を合わせる位置を変えて見える部分を動かしながら見ているそうです。
文字もそのようにして、見える部分を動かしながら読んでいるそうです。焦点を合わせる視野の中心では見えていないんですから、外側の見える部分でどうやって読んでいるのか私には想像が出来ません。
明るい場所では、そのようにして見ることが出来るようですけど、先日は明るくても見えていなかった木製パレットにつまずいて転倒しました。
薄暗いとよく見えないようです。イラン人ご夫婦の家から帰る時は、玄関から車までの暗い道を歩くのに苦労していましたが、あの時はほとんど何も見えなかったと言いました。
私が「懐中電灯を持ち歩く必要があるわねえ」と言うと「うん…」と言いましたからね、本当に見えなかったのでしょう。
「これからは私があなたの腕を取って安全に歩くお手伝いをします」と言うと、「Seeing Eye Dog」(盲導犬)ならぬ「Seeing Eye Person」(盲導人)だなあと言いました。
もう冗談じゃあなくて、そういう助けが必要になったということです。
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