シュワルコルト・コテッジというのは、ミッチャム(Mitcham)という街にあるんですが、この地域に入植した人が建てた最も古いファームハウスなんだそうです。最初の家は1864年にドイツからの移民だったアウグスト・シュワルコルトという人によって建てられました。
何もない森のような場所を切り開いて農地に開拓し、近くのクリークから掘り出した石を使って建てたそうですけど、こうした場所には先住民が住んでいたわけで、それをヨーロッパ人が勝手に自分達のものにして売買し、開拓して行ったということは忘れてはいけません。
シュワルコルト家族は、その後、別棟の家、馬小屋、鍛冶場、食べ物をスモークする小屋、ワイン保存小屋などを増築して行きました。
下の写真は、食べ物をスモークする小屋です。ソーセージや肉や魚をスモークしていました。
1960年代になって建物の老朽化が問題になったそうです。取り壊しが検討された時に地元の皆さんの保存運動のおかげで市が買い取ることになり、建物は保存されることになったのです。
敷地内には博物館も建てられて、この地域の人々の19世紀から20世紀にかけての暮らしや歴史に関するものが展示されています。
うちの夫は、ここのすぐ近くにあった小学校に通っていたので、遠足で来たことがあると言っていました。
私達は20年以上もシュワルコルト・コテッジの前を何度も通りながら「いつか見に行こう」と話していたんですけど、今まで行くことが無かったんです。
ついに行くことが出来たのは、「今年はできるだけたくさん楽しいことをする」という新年の抱負を立てたおかげです。
私は、博物館にあった数々の美しいレースに感動しました。細い木綿糸を見えないほど細いかぎ針で編んで作ったレースや、たくさんの棒に巻き付けた糸を織って作るレースとか、有名なニードルレースとか、作り方にもいろいろあるんですが、昔の女性達の手芸技術は素晴らしいです。
そうして作られたレースをふんだんに使ったドレスなどもコテッジにはありましたから、シュワルコルト家は裕福だったんだなと思いました。
また、博物館で見た様々なタイプの洗濯機は印象に残っています。木製の桶をゆすって洗う手動式洗濯機に始まって、鉄の重いハンドルをぐるぐる回して回転させる洗濯機、そして私が子供の頃に見たことがある脱水用ローラー付き電気洗濯機とか、たくさんありましたよ。
人々の暮らしの移り変わりや地域の歴史に興味がある方には、シュワルコルト・コテッジは面白いと思います。
ところで、私は展示を読みながら時間をかけて見て歩いたんですけどね、博物館にいる時に中国人のグループが入って来たんですが、なんであの人達はあんな大声で話すんでしょうか。
うるさくて大変迷惑でした。展示などろくに見ていなくて、記念写真を撮ったらすぐに出ていきましたけど。
皆さん、博物館のような公共の場所では、もう少し周囲に気を使いましょう。他の見学者がいる時には、小さな声で会話した方がいいですよ。
そうそう、博物館には古い写真がたくさんあったんですが、この写真には驚きました。これはブラックバーン(Blackburn)という街のサリー・ロード(Surrey Road)です。
今では、この道路の両側は家がびっしりと建ち並ぶ住宅街ですが、メルボルン市内に続く高速道路への入り口があるので交通量は多い道路なんです。私もよく利用する道路なんですが、100年前はこんなだったんですよ。
自分が住んでいる街の昔の様子を写真で見ることが出来るのは、大変興味深いですよね。
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