2023年1月23日

サステイナブルな家の見学ツアー

最近よくサステイナブル(Sustainable)という言葉を耳にしますね。「持続可能な」とか「維持可能な」と言う意味ですが、何を持続するかというと地球の環境です。

人間の経済活動によって地球の温暖化や環境破壊が進んでいます。環境を破壊しないで自然を維持しながら私達人間が共存していこうという考え方です。

ですから、「サステイナブルな家」と言えば環境に配慮した家ということなんですけど。

一部の人々に注目されている建築スタイルがあるんですよ。アースシップ(Earthship)と呼ばれるもので、私は英国の人気テレビ番組「グランドデザイン」で見たことがあります。

古タイヤに土を詰めたものを積み上げて分厚い壁を作り、その壁の外側にも土を盛り、家の半分はこの壁に覆われた地中にあるような家です。この分厚い壁のおかげで、夏は涼しく冬は温かいのだそうです。タイヤが土中で分解してガスが発生したりしないんでしょうかね。

家の土壁には廃棄されたガラス瓶を埋め込んで部屋の中に光を取り込んだりしていました。廃棄物と自然の材料を用いて作る家というのがコンセプトなんだそうです。実際には廃棄物と自然の材料だけというわけには行かないようです。

こんな家ですから、作るのに大量の労働力が必要なんです。番組で紹介された家の建築には、各地からアースシップの家に興味がある人達だというボランティアが集まって、人件費タダで手伝っていました。

アースシップの家は、オフグリッドと呼ばれるスタイルを目指しています。公共の電気、ガス、水道などのライフラインに依存せずに、自分の家だけでそれらが確保できるよう設計されているそうです。

電気は自分でまかなえるでしょう。自家発電は自然の材料だけではできませんけど。それから、ガスは無くてもやれるでしょう。暖房や調理には薪を使うことができます。2酸化炭素や煙は出ますけどね。

でも、水はどうするんでしょうか。井戸を掘るの?雨水を貯めるの?それで暮らしていけるの?オーストラリアではまず無理ですよ。

地熱を利用した温度管理を行い、電気は太陽光や風力発電でまかない、自給自足を目指すというのが典型的なアースシップの家なんだそうです。自給自足は、はっきり言って不可能な話ですけど。

このアースシップの家を見学できるツアーがあると、先日うちの娘から聞きました。ブラックサタデーと呼ばれる森林火災で大きな被害を受けたキングレイク(Kinglake)という町にサステイナブルの家ができて、それがアースシップの家なのだそうで、新聞などでも紹介されて、ヴィクトリア州内で最も環境に配慮した家かもしれないという話でした。

ブラックサタデーで家を焼失した方が建てたということでしたから、森林火災に対応した家なんだろうと思いましたし、見学できるのなら見学したいと思ったんですが、

見学費用が一人70ドル!

家を見せてもらうだけで70ドルも取るとは何だそれ!

ということで私は行かなかったんですけどね、娘と娘の友人2人とうちの夫が昨日行ってきました。4人で280ドルも払って行ったんですよ。

帰って来た彼らに感想を聞くと、

ううーん… 思っていたのと違ったけど…

家の持ち主でこの家を自分で建てている男性が自分の話ばっかりするのにうんざりしたんだそうですが、最悪だったのは、と言うか最も思っていたのと違ったのは、家がまだ完成していなくて作っている途中だということ。

この家もやはりボランティア頼みだったそうで、というのも人力頼みのアースシップの家は人件費の高いオーストラリアで人を雇って作るとコストがかかり過ぎるわけですよ。だからタダで働いてくれるボランティア頼みだったらしいんですが、新型コロナが始まってボランティアが来れなくなり、工事が大幅に遅れたんですって。

家の建て方とかコンセプトに面白い点はあったけど、あれを見て「ぜひ自分もこういう家を建てたい」なんて思わないし、はっきり言って70ドルも出して行って見る価値などなかったということです。

土を詰めたタイヤで覆われた土中の部分は大丈夫としても、ガラスと木材でできている片側は、森林火災があったら燃えてしまうでしょうから、森林火災に備えた設計とも言えないですし。

オーストラリア在住の方で、このキングレイク(Kinglake)というところにあるアースシップ(Earthship)の家を見学に行ってみようかと思っていらっしゃる方がおられたら、どうぞご参考までに。

完成はまだまだ先のことらしいです。


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