2020年9月10日

コンピューターのラビットと電話機

我が家の電話機が調子が悪いです。

キッチンに取り付けている電気不要の押しボタン式電話機は、今どきこんなのを使っている人がいるかどうか分かりませんが、古くても機能的には問題なしです。

ところが、パナソニックの電話機の方が、よく聞こえなかったり全く聞こえなかったりするのです。親機は事務所に、子機を2階に置いていたのですけど、調子が悪くて当てにならないので、電話が鳴るとキッチンまでバタバタと走らなければなりません。

押しボタン式電話機はコードレスではありませんから、受話器を持って歩き回ることもできず、電話に出るにはそこまで行かなくてはなりません。

新しい電話機を買った方が良いかなあと思ったり、実際には固定電話を使うことはあまりなくて、インド人から迷惑電話がかかってくるくらいのものですから、不便でもこの押しボタン式電話機で我慢するか。

そんな事を考えていたら、子供達が生まれた頃の我が家の電話機事情を思い出しました。

1990年代ですからね、まだ携帯電話なんて普及していませんでした。

当時、日本語教材の輸入販売をしていたので、ちょっと家の外に出る時には子機を持ち歩いていたものです。家から離れ過ぎると聞こえなくなるので困りました。

外出時は、もちろん公衆電話を使うのでした。

文書を送るのはファクシミリ。教材の注文はファクシミリで送られてきていました。感熱ロール紙を使っていましたから、何メートルも注文書が連なっていたりしたものです。

コンピューターのフロッピーディスクなんて、若い人は知らないでしょうが、容量が1MBくらいしかなかったんですよ。インターネット接続も遅くてね。最初の頃は電話回線を使っていましたから大変でした。

当時幼かったうちの息子には、子守がてらにコンピューターを使わせてやっていました。お絵かきソフトで遊んだり、ABC放送のお子様向けサイトのゲームをしたりしていたものです。

ある時、

「お母さん、ラビットが動かなくなった」

と言いました。

我が家にはうさぎなんて飼っていないのに、息子が何を言っているのか分かりませんでした。泣きそうな顔で「ラビットが動かない」と言うのです。

「そのラビットというのはどこにいるの(あるの)?」とたずねると、息子が見せたのはコンピューターのマウスでした。

マウスのことか!

「ああこれね、ラビット(うさぎ)じゃあなくてマウス(ねずみ)というのよ」と教えながら、私は笑いを堪えなかったのですけどね。

いい思い出です。

あれから20年ほどの間に、コンピューター技術は大きく発展しました。通信手段もインターネットも、様々な分野でテクノロジーがほんの20年前では考えられなかったほどに発展しました。

思い返してみると、目覚ましい発展です。

さあ、電話機をどうしたものでしょうか。ほとんど使うことが無くなっていますから。


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