2020年1月5日

気候変動と石炭産出

ニューヨーク・タイムズが「Australia Is Committing Climate Suicide」という記事で、森林火災とオーストラリアの石炭産出輸出および気候変動への無対応を結びつけて、まるで自業自得のような批判的視線を見せていることに、ちょっと頭に来ました。

オーストラリアは非常に乾燥した大陸で、夏は高温となり、人が住むのが難しい土地です。実際、人が住んでいるのは、生活水や農業用水がある限られた地域だけです。

山火事はこの大陸につきものですから、オーストラリアの植物の進化にも影響していて、多くの植物の種は山火事を生き延びることができるし、中には火事を発芽の刺激にして世代更新する植物もあります。

山が燃えてしまっても、植物は再生します。ブラックサタデーで真っ黒に焼け焦げてしまった山々も、現在は緑に復活しています。

自然にはそうした再生力があるのですけど、火災が頻繁に発生すると、それが困難になるという心配が出てくるのは事実です。

そのような土地に住んでいるのですからね、これまでの歴史を見てみれば、多くの人々が山火事や干ばつや高温や、時には豪雨による洪水で、全てを失うような苦難を乗り越えて来たということが分かります。

住む人々の数が増え、燃える可能性があると分かっている場所に家を建てて住むようになり、農場を作ったのです。こういう事が起こりうることは皆んな分かっているのです。こうした災害に対応する準備もできています。

ただ、言われているのは、近年の気候変動(Climate Change)がオーストラリアの乾燥(降雨不足)に影響を与えているということ。温暖化により気温が上昇していること。

そのために大規模な森林火災の頻度が高くなっていること。

気候変動の原因になっていると言われるのが「温室効果ガス」の増加ですが、 世界全体から排出される温室効果ガスのうち約80%が二酸化炭素です。

この二酸化炭素の国別排出量を見ると、断然トップが中国、次にアメリカ、インド。この三国が、世界中で排出される二酸化炭素の半分を排出しています。この三国に、ロシア、日本、ドイツ、韓国、カナダと続きます。

ただし、この排出量を人口で割って一人当たりの排出量として比べてみると、排出量のトップはアメリカ、オーストラリアは2位なんです。人口が少ないですからね。

いずれにしても、オーストラリアの干ばつや温暖化はオーストラリアの自己責任とは言えません。

また、地球温暖化は「単に地球全体で徐々に気温が上がっていく」という変化ではありません。地域ごとの差が大きく、極地方や標高の高い地域ほど気温の上昇率は高くなるそうです。

温暖化の深刻な被害をすでに受けている人々の多くは、温暖化にほとんど責任のない、貧しい途上国に住む人達だとも言われますよね。

こういう事実を承知の上で、温暖化の、ひいては気候変動の最大の「貢献者」であるアメリカ人に、「Australia Is Committing Climate Suicide」などと書かれるのは気分が悪い。


相当量の雨が降らない限り、今後何週間も、あるいは何ヶ月も燃え続ける可能性のある森林火災の悲しいニュースが次々と報道される中、心が温まるストーリーもたくさん報道されていますし、SNSでそういうストーリーが拡散しています。

まずは、もう本当に頭が下がるし敬意を抱かないわけにはいかない消防隊の皆さん。田舎の方ではそのほとんどはボイランティアの消防隊員ですよ。

「住民の命を守る」「家を守る」「困っている人を助ける」という使命感で、連日消火と救助にあたっておられます。他人の家を守るために働いている間に自分の家が燃えたという消防隊の方の話も時々耳にします。

消防隊の皆さんの家族の方々にも感謝したいです。家族も大変なんですから。実はヒールズビルという町に住んでいた頃、うちの夫がボランティアの消防隊員だったことがあるのです。あの頃、平穏な家族の時間なんていうのはなかったもの。

人々がお互いに親切にし合い、自分にできることで他人を助けようとする心が温まるエピソードの数々には感動しています。

こういう話を聞くにつけ、もしも自分がこういう状況に置かれたら、絶対に何か良いことをしたいと思うわけです。


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