2019年3月18日

難解複雑な選挙制度

昨日の話の続きです。

例の極右・白人至上主義・人種差別主義のフレーザー・アニング上院議員の面白い話です。この男が世間の関心を引くことはヨロシクナイとは思うんですけどね。

さて…

フレーザー・アニング上院議員は、日本円にして2千万円もの議員手当を貰って、議員特権の恩恵もいろいろ受けて、しょっちゅう自身の選挙区のクイーンズランドじゃあなくてメルボルンにいて、いい暮らしをしています。

この議員、このブログでも話題にしたことのあるポーリン・ハンソンが党首を務める極右政党「ワン・ネイション党」の上院議員候補者として、2016年の連邦議会選挙に出馬しました。

オーストラリアの選挙制度はちょっと難解複雑で、私自身いまだに良く分かっていないところがありますが、下院は候補者個人に投票し(票の数え方が難解複雑)、上院(Senate)の方は簡単に言うと比例代表制です。

この比例代表制の上院の投票用紙が変わっていて、太い線で上と下に分かれております。上は政党を選ぶようになっており、下は候補者個人を選ぶようになっており(数がすごい!)、自分の好きな方のやり方で投票します。

2016年の連邦議会選挙では、比例代表制の上院クイーンズランド州選挙区で、驚くべき25万人が極右政党ワン・ネイション党へ投票しまして、その結果、ワン・ネイション党は上院の2議席を獲得したわけです。

もちろん、まずは党首のポーリン・ハンソンが議席を獲得し、二番手のマルコム・ロバーツという人がもう一つの議席を獲得したんです。

ところがですね、このロバーツという人が二重国籍問題で失格となったため、三番手のフレーザー・アニングが繰り上げ当選ということになったんですよ。ところが、この男は上院議員になったその日にワン・ネイション党を離党しました。

党首のポーリン・ハンソンと対立していたそうです。議員になったその日に離党というのは腹がたったでしょうねえ、ポーリン・ハンソンさん。

しかし、ここで忘れちゃあいけませんよ!

ワン・ネイション党への票数のおかげで偶然議員になったフレーザー・アニングですが、議員になった途端にワン・ネイション党とは無関係の人になっちゃったんですよ。この男、候補者個人に対して投票する方での得票数は、たったの19票だったのです。

19票!

オーストラリアの連邦議会の選挙ですよ。国民全員が投票を義務付けられているオーストラリアの国政選挙ですよ。選ばれた政党を離党したこの男は、個人的にはたったの19票だったのに上院議員になっているのです。

この選挙制度の不思議さ!

何とラッキーな男。

そして、この男が上院議員として議会の内外であからさまな人種差別的かつ白人至上主義的発言を続けているんです。

こんなことが許されるのか?

フレーザー・アニングを失格にする方法はないのか!

何とか辞めさせようと Change.org というウェブサイトで「Remove Fraser Anning from Parliament」という署名運動が広がっています。シドニーの医師で Kate Ahmad という人が始めたそうです。

百万人の署名を目標にしているそうですが、私も署名しました。

署名が百万人分集まっても、選挙で選ばれた(?)議員を辞めさせることはできませんけど、他の議員達に対して世論のメッセージを送れます。

次の選挙が早く来てほしいなあ!


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