さて、今日は土曜日です。先週の土曜日に行われたオーストラリアの連邦総選挙の結果は、まだはっきりしていません。
開票が遅いからというわけではありませんよ。開票は徹夜態勢でおこなわれました。投票締め切りの直後からTV各局は選挙特番で結果を速報&分析し続けましたから。
ちなみにオーストラリアでは選挙は国民の権利ではなく義務ですから、全員投票しなくてはなりません。人々の選挙への関心は日本よりも高いです。だって、絶対に投票しなくてはならないのだから、じゃあ誰に投票しようか、どの党に投票しようかと、当然考えるものです。
さて選挙結果ですが、通常なら夜中には大勢が判明し、いずれかの党首が勝利宣言あるいは敗北宣言となるわけですよ。しかし今回はそうはならなかった。代議員の方は、多くの選挙区で票数が極めて拮抗しているために結果が分からないのです。
当日票だけではなく、郵便による投票や期日前投票の票数、あるいは国外在住者による投票数もすべて慎重に数え尽くさなければ、結果がわからないほど拮抗している。
だから、1週間たっても未だに結果が出ていません。
おそらく過半数を獲得する党はないということは分かってきました。現在の政権政党は、自由党と国民党とが組んだ保守連合ですが、この保守連合も過半数を獲得していません。野党の労働党も過半数は無理なようです。こうなると無所属議員4人とグリーン党の1人、この5人が鍵を握ることになるのです。
大政党の間で無所属議員が鍵を握る。政権運営は難しくなるでしょうけど、こういう結果を見るにつけ我々の1票が大事なのだと感じるのです。
ところで、代議員の方はこういう状況ですけど、上院に当たる Senate の方はさらに凄まじい混迷ぶり。ここ1週間の話題は、極右翼政党ワンネーション党のポーリーン・ハンソン氏が議会にカムバックしたことです。
この人、10年以上前、白豪主義的発言で大人気になりました。以前はアジア人移民排斥を訴えていました。このままではオーストラリアはアジア人に乗っ取られるって。アボリジニ(原住民)優遇政策も反対、多民族主義反対、そして今回はイスラム教徒排斥を訴えています。
ポーリーン・ハンソン氏、考えが顔に出ているでしょう?
作家ロアルド・ダールはかの有名な「The Twits」の中で言っています。人は考えが顔に出るって。ミセス・ツイットは若い頃は美人だったが、考えが醜かったため、時を経るにつれて醜い姿になったのだって。
逆に、鼻がヘンテコでも口が曲がっていても二重あごでも、良い考えを持つ人はどうしてもそれが輝きだすから素敵な人になるって。
私は、このポーリーン・ハンソン氏を見るたびに、ロアルド・ダールの「The Twits」のこのページを思い出すのです。
「The Twits」は平易な英語で書かれていますし、読んだことのない方はおすすめですよ。
選挙の話が「The Twits」の話になっちゃったわ。
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