2018年9月30日

ひどい映画を見た

旅行から帰ってきた三人が早々に寝てしまった夜早く、テレビでエミリア・クラーク主演の映画をやっていたので見ることにしました。

ポスターは以前見たことがあったのです。


原題「Me Before You」という映画で、邦題は信じがたいことに「世界一キライなあなたに」というサイテーなタイトルがつけられています。

この映画のストーリーは全く知らなったけど、だいたい想像はつきました。私はロマンチックコメディだと思っていたんです。

で…

確かに展開としてはその線を行っていたし、エミリア・クラークはキュートで可愛らしくて「はまり役」で、映画は楽しく見ていたんですよ。

しかし、

あのエンディングは何だ!

見終わった私は大変に動揺し、心臓はバクバクするし、気分は沈むし、そのうち腹が立ってきた!

原作のエンディングに忠実だったとのことだから、ああいうストーリーを書いた、そしてこの映画の脚本も書いたという作者に言いたい。

あれはなかろう!

事故により四肢麻痺になって生きる希望を失っていた裕福な男が、エミリア・クラーク扮する女性との出会いでかつての自分を取り戻すのだけど、

やっぱり予定通り死ぬことを選んで、かの有名なスイスの自殺幇助施設「ディグニタス(DIGNITAS)」に行って死なせてもらうんですよ。エミリア・クラークは、その男の死に付き添うんですがね、

最後に、男は彼女にお金を残してくれましたというエンディングですけど、

四肢麻痺という障害は、死を選んで当然なんですか?
生きていく意味がないと判断してOKなんですか?
四肢麻痺という障害を苦にして死ぬことを選んだ人の選択は、尊重してあげて、死なせてあげるのが周囲の人々に望まれる対応なんですか?

この映画が観客に与えるメッセージには、

納得いかない!

私は基本的に尊厳死を支持していますけどね、この映画の場合は話が違うと思うんです。

「ディグニタス」は、実際に末期性の病気でも進行性の病気ではなく、生活に苦しんでいるわけでもない、どちらかと言えば裕福な人々の自殺幇助をしていますがね、最近はあるオーストラリア人の医者(百歳を超えていた)がスイスの「ライフサークル」という自殺幇助施設で死なせてもらったというニュースがありまして話題になりましたが、

この映画の男は、死んじゃあいけないよ!

四肢麻痺という障害は確かにつらいだろうとは思うけど、四肢麻痺以外には問題ないんですよ。まず経済的な心配はまったくないわけだし、介護人には恵まれているし、愛情あふれる両親はサポートしてくれているし、素敵な恋人もできたし、障害があっても充実した人生を生きていける可能性があるじゃないですか。

なんで、あんなに簡単に自殺するのよ、自殺させてあげるのよ!

同じように四肢麻痺の裕福な男と介護人の絆を描いた映画で、原題「Intouchables」というのがありましたけど、あの映画のメッセージはもっとポジティブで温かかった。邦題も「最強のふたり」と、映画の本質を表したタイトルになっています。

もうね、昨夜は寝つけなかったです。


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