2018年3月12日

8時間労働の日

今日は、ヴィクトリア州では「レイバー・デイ(Labour Day)」の祝日です。

日本の「勤労感謝の日」が秋の収穫を感謝する祭事が元になっているのと異なり、オーストラリアの「レイバー・デイ」は「労働者の日」とでも訳すべき日で、労働者の8時間労働が認められたことを記念して制定された国民の祝日です。

19世紀の労働者は一日12〜16時間の労働を強いられ、過酷な条件で働かされていましたが、雇用者に対して労働者が団結し、組合を作り、労働条件の改善を求めてデモ行進やストライキを行うようになりました。

英国の社会主義者にロバート・オーウェンという人がいましたが、彼が提唱した「888運動(労働8時間、レクリエーション8時間、睡眠8時間)」が広く支持を集めていました。

労働者は団結して雇用主と戦い続け、メルボルンでの大規模なデモ行進をきっかけに、ついに雇用者から同意を獲得したのが1856年のことでした。この時、労働者が公正な労働条件を獲得した重要な日として制定された祝日「レイバー・デイ」は、160年以上の長い歴史があるのです。

国民の祝日ですけど、州によって日が異なります。オーストラリアでは良くあることです。ヴィクトリア州では3月の第2月曜日が「レイバー・デイ」と決められています。

8時間労働が原則としても、原則どおりにはいかない職場もあります。

うちの夫など、週休一日で、労働時間も8時間以上の日がよくありますが、基本的に労働時間については厳しく守られているように思います。原則どおりにはいかない職業であれば、雇用契約時に説明がなされ、同意しなければなりません。

労働者の公正な労働条件(最低賃金を含め)を守らない雇用者は、いずれ社会的な制裁を受けることになりますから。この点では、労働者を守る制度が確立していると思います。

日本の賃金不払い残業のようなものがあれば、すぐにバレてしまうでしょうし、裁判にでもなれば雇用者は絶対に負けますから、不支払い分の賃金や賠償金などを支払うことになるでしょう。

「過労死」などというものが発生しにくい、労働者を守る制度があるわけです。

最低金だってですね、ヴィクトリア州では時給が18ドルを超えていますよ。19ドルにしようという動きもあるんですから。うちの夫の知り合いが、道路工事などの際に「止まれ」の標識を持って交通整理をする仕事をしていたのですが、そのような単純労働でも大変良い給料をもらっていたそうです。

最近は、労働者組合が大きな力を持ちすぎて、私なんか「ちょっと甘やまされているんじゃないの?」と思ってしまうような光景を見ることもあります。

何かというとすぐにストライキ、デモ行進。「給料を上げろ!」「もっと休みをくれ!」と、さらに良い労働条件を求めるオーストラリアの労働者。

オーストラリアには、強大な力を持つ労働組合がいくつかありますが、そうした組合内の汚職なども問題になることがありますし。そういえば、最近、海運労組と鉱山労組の2大労働組合が合併したんですけど。

思い出すなあ、以前日本語教材を輸入販売していた頃、港湾労働者組合の長期ストライキで、輸入した商品が何週間も港に留め置かれたままになり、本当に困ったことがありました。

教材は腐らないからいいけどね、果物や野菜は腐っちゃうし。あの時は、本当に多くの人が港湾労働者組合を恨んだものです。

ということで、今日は「レイバー・デイ」でお休みです。

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