2015年12月10日

コーヒー

コーヒーの豆を自分で挽いた時や、すでに挽いたのを買ってきて袋を開けた時のあの得も言われぬ芳香は、コーヒー好きにはたまらないのですけど、あれを「臭い」と感じる人もいるのですよね。特に子供達にとっては、不快な臭いであるらしい。

実を言うとその気持ちはわからないわけではないのです。

私は妊娠期のつわりが息子の時も娘の時も大変ひどく、トマトしか食べられなくなったり一日の嘔吐回数16回などという新記録を作ったりと大変な苦痛の日々を送ったのですが、妊娠期には味覚嗅覚の変化がありました。

通常であれば食欲を刺激するはずの、例えばご飯が炊ける匂いや肉や卵を焼く匂い、味噌汁の匂い、そうした匂いがことごとく不快極まる臭いに感じられました。夫は目玉焼きをトーストに乗せて食べるのを朝の常食にしておりましたが、私の苦しみ様を見て屋外のBBQで卵を焼くようになりましたし…。

それはともかく、今日はコーヒーの話。

私は子供の頃からコーヒーが大好きで、成人して甘い飲料が苦手になってからは、もっぱら強めのコーヒーにミルクを少し入れたものを愛飲してきておりました。

ところが、なんということか!ある日、あれほど大好きだったコーヒーの芳香が「うっへぇ、臭い!」と感じたのでございます。

そりゃあもう、たまりませんでしたよ。夫がインスタントコーヒーを入れている臭いが遠くキッチンから漂ってくるだけで、「あっ!コーヒー入れてる!」「臭い!」「吐きそう!」ということになるんですからねえ。

ですから妊娠期間中は紅茶党になっていましたけど、出産を終えた直後にはもうコーヒー党に逆戻り。「ああ…美味しい。なんであんなに臭いと感じたのか不思議だわ!」という不思議な経験でございました。

ですから、コーヒーが臭いと感じる人がいるのは分かるんです。

うちの息子のカイと娘のサチは、基本的に水とお茶とミルク以外の飲料は飲まずに大きくなり、二人とも私がコーヒーを入れていると「臭い!」と苦情を言っていたものです。息子のカイは、19歳になった今でも基本的に水かミルクしか飲まず、「飲もうと思えばコーラは飲める」と本人は言いますが、コーヒーや紅茶も緑茶もビールもワインも飲みません。

娘のサチは、幼い頃からあらゆる飲み物食べ物に興味があったせいか、ビールもワインも味見済み。そして、あれほど臭い臭いと苦情を言っていたコーヒーを今年に入った頃からごく薄く作って飲み始めました。インスタントコーヒーをミルクに混ぜたりフルーツと混ぜたり(???)して飲みんでいましたが、次第に彼女が作るコーヒーは濃くなり、最近では一日中コーヒーを飲んでいるのです。

「最近、だんだんコーヒーが濃くなってきているみたいねえ」
「そう、カフェイン中毒に一直線よ!」

ううん…。確かに、彼女の飲み具合は、まさに「中毒」と言っても過言ではないほど。一番良く見かける飲み方は、大きなグラスにブラックコーヒーを作り、それに冷凍のベリー類(イチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベルー)を入れてそれらのベリーを食べながらコーヒーをすするという飲み方!私はやってみたことがありませんので、これが美味しいのかどうか想像だにできませんけど。

そして、最近は私が入れるのと同じやり方でドリップコーヒーを入れて飲むようにもなりました。砂糖無しでミルクだけ入れているようです。熱いコーヒーを飲みながら本を読んでいるか勉強している娘のサチ。時々「ああ…(美味しい)」と声を上げいます。

人間の味覚って変わりますねえ、ホント!

おかげさまで、我が家のコーヒー消費量は日々急激な増加を見せております。ちなみに、私はオーストラリアブランドVittoria Coffeeのエスプレッソが好きで、これを日本式にドリップで一杯ずつ入れて飲むんですが、オーストラリアにはVittoria以外にも美味しいコーヒーブランドがたくさんあります。メルボルンには大変美味しいコーヒーを入れてくれるカフェがたくさんあるんですよ。

コーヒーの入れ方も、さすが移民の街だけあって色々です。私はドリップで入れますが、いつだったかフランス人の友人がそれを見て、自分と同じ入れ方をしていると大いに感激していました。夫の友人のイタリア人は、コーヒーには並々ならぬパッションを持っていて、豆にも機械にも相当お金を注ぎ込んでいるようですが、夫曰く、彼が入れるコーヒーはこれまで飲んだ中で一番美味しかったと。

またいつか、メルボルンのコーヒー文化についても書いてみようと思っています。

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