リングウッド・バレエの木曜日の昼公演は、リングウッド市民のために無料でおこなう「くるみ割り人形」のみの公演でした。行ってみて驚いたのは、観に来ている人の殆どが高齢のおじいさんおばあさんで、そうした高齢の方たちに助けてもらってやっと動けるというさらに高齢の方々も多くいらっしゃったこと。皆さん少しおしゃれをして来ておられ、とても楽しそうでした。
さて、開演10分前になって着席を促すベルが鳴りました。それほど大きくないリングウッド市のホールですから、通常ならば10分もあれば観客は着席できるのかもしれませんが、昨日は違った!
何しろ、観客の殆どは高齢者。車椅子の人は少なかったけれど、ウォーキングフレーム(車輪付き歩行補助フレーム)を押しながらやっと歩いていらっしゃる方が大勢おられたのです。そして、ホールの中はウォーキングフレームを押して入ることはできません。
ですからね、着席も一筋縄ではいかないんです。比較的若い人達や足腰がまだしっかりした人達が助けて何とか着席しますが、中央辺りから順番に座るというわけにはいかないんですから、すでに座ったおじいさんおばあさん方の向こう側の空席に、一人では歩行が困難な方を座らせてあげるというのは容易なことではなくて、やっと座ったおじいさんおばあさんに再び通路まで出ていただくなどという光景も見られました。
開演時間を5分過ぎ10分過ぎ、15分過ぎてもまだ着席できない方がおられます。照明を消してしまうと危険ですから、全員が着席できるまで観客全員じっと待ちました。
さて、公演終了後、早く出ないと混雑に巻き込まれて大変だと思った私。早めにホールから出ましたら、ホールの外で驚くべき光景を目にしたのです!
ホールの外にずらりと並べられたウォーキングフレーム。軽く100台以上はあったでしょう。一度にあれほどたくさんのウォーキングフレームを見ることは、通常考えられませんよ。
夕方帰宅した夫にその話をしました。
「いいじゃないの!おじいさんおばあさんたちは、日頃エンターテインメントが少ないのだから、そういうバレエの公演にちょっとおしゃれをして出かけるというのは特別なことに違いない」
「無料で公演をするというのもいいことだな」
「ヒロコ、そのウォーキングフレームの写真を撮ったら良かったのに」
夫はいつも中々良いことを言うのです。
写真を撮ってくれば良かったな…。それに、自分のことだけ考えて早めに帰ってきたりせず、おじいさんおばあさん方が無事にホールを出て自分のウォーキングフレームを手にできるようにお手伝いでもするべきだった。
夫が昨日あの場所にいたら、絶対にそうしたであろうと思います。ちょっと反省…。
お帰りの前に1クリック を!
0 件のコメント:
コメントを投稿