健康な腎臓を必要としている患者さんとその患者さんに腎臓を提供したいと希望しているけど適合しないために提供できない人という「患者&提供者のペア」で参加するプログラムです。
患者さんが誰かの提供を受けて移植手術が行われた後に、ペアの提供者がどこかの誰かに提供します。
ということは、最初にペアで参加していないボランティアの提供者が必要なわけで、うちの夫がその提供者になったのです。
腎臓を提供する人も提供される患者も匿名で行われるそうですから、うちの夫の腎臓が誰に提供されたのかは分かりません。
今回は提供→移植→提供→移植…がつながって、16人の患者さんが移植手術を受けることが出来たそうです。合計32回の手術は、4つの病院で何週間かかけて無事に行われたそうです。
数としては新記録だったそうでメディアが取材に来たそうですが、どのメディアでどういう記事になったのか聞いていません。
さて、腎臓が一つになった夫ですが、大変順調に回復しています。昨日は再び手術後の検診があったので、オースティン病院のオリビア・ニュートンジョンがんセンターまで送って行きました。
1時間以上待たされて検診は2分でしたよ。順調に回復していることを証明するようなものです。腎臓を取り出しすために切開した傷は長さが10センチほどですが、もうすっかり良くなっています。
本人はもう仕事に復帰できると思っているのですけど、医者からの証明書がないと復帰してはいけないと会社のHR(人事部)から言われているそうで、それは手術から6週間後に行われる検査次第なんだそうです。
ですから、うちの夫はまだ病気休暇中なのですけど、勤めているツールショップの店舗から歩いて6分のところに引っ越して来ましたし、お店のことが気になってしようがない夫は、度々お店に顔を出しています。
お釣り用の小銭が無くなりかけていると分かれば小銭を準備しに行き、レポートを読み、店長として運営上やらないといけないことは多種多様でたくさんあるそうですから、そういうのをチェックしたり。
先週は、トラクター型草刈り機の修理の取り扱いに問題があったことが分かったそうで、その修理を手配してから自分の父親にトラックを運転してもらい、1時間もかけて草刈り機の配達に行ったんだそうですよ。
病気休暇中なのにそこまでするか?
はい、そこまでする人です、うちの夫は。
ところが、病気休暇中の夫が医者からの証明書もまだ出ていないのに度々店舗にやって来て仕事をしていることに気づいた「ある人」がいたんです。その「ある人」は、うちの夫の上に立つ役職のはずなのに夫には下に見られてコケにされているもんだから、夫を嫌っている人なんですが。
うちの夫が草刈り機の配達をしたことを「ある人」が知った直後に、会社のHR(人事部)から夫に電話がかかってきて注意されたそうですよ。病気休暇中は仕事に行ってはいけないと。「ある人」がチクったことは明白です。
この「チクる」という言葉によく似た、誰かの悪口を言ったり告げ口をしたりすることを意味するオーストラリアの俗語を、私は昨日覚えました。「dog on 〜」あるいは「dog 〜」と言うらしいです。「dog」つまり「犬」です。
夫が「ある人が自分をチクった(Someone dogged on me)」と言っているのが聞こえたんです。
社長をはじめ会社のトップに近い人達は、うちの夫がどういう事情で病気休暇を取っているかを知っているんですけど、その人事部の人は知らなかったようです。
病気ではなくて腎臓を提供したから休んでいることを教えたら、その人事部の方のおばあさんが腎臓移植を受けられたことがあったせいで態度が急変したと言っていました。
夫は会社の社長から全面的にサポートをもらっているので、こんなことをチクられても問題にはならないんですけど、仕事に戻ってはいけないそうです。電話で出来る仕事もパソコンで出来る仕事もあるわけだし、小銭を準備するくらいやってもいいだろうと本人は言いますが、病気休暇中はしてはいけないそうですよ。
仕事に戻りたいのに戻れないので、夫は明日から旅行に行くそうです。病気休暇を使って旅行に行くんですよ。ちょっと変な話です。
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