2023年11月19日

黄斑変性と色の識別

昨日は、ちょっと気になったことがありました。

6週間以上ぶりに意気揚々と仕事に出たうちの夫が鍵を忘れたと言って戻って来たので、2人で鍵を探したんですけどね。

夫は、探している鍵にはオレンジ色のタグがついていると言ったので、私はオレンジ色のものを探したんですけどなかなか見つからなかったんです。鍵は夫が見つけました。デスクに置いたはずだと言っていたとおり、デスクにありました。

私は探している時にその鍵を見ましたが、探しているのがその鍵だとは思いませんでした。だって、オレンジ色じゃあなくて黄色のタグが付いていたんですもの。

私が「それはオレンジ色じゃあなくて黄色です」と言ったら驚いて、「あれ?これ黄色?」と言ったんですよ。そのことが気になっていたんです。

やはり、遺伝性黄斑変性の「スターガルト病」が進行しているんだろうと思いました。色の違いが分かりにくくなって来たのでしょう。

夫が思っている色と実際の色が違う場合があることは、本人が自覚している必要がありますからね、昨晩そのことを話したんですよ。

そうしたら、首を傾げながら黄色いプラスチックのタグが付いた鍵を手にとって、「うーん、これはオレンジ色でしょ?」と言ったのでございます。「それは黄色なんです」と答えるしかなかったのですけど。

その後、ベッドへ行って寝てしまったので、ちょっと心配しました。私だったら、もしも色が違って見えていると分かったらショックですからね。


「黄斑変性」というキーワードで検索した場合、見つかるのは「加齢黄斑変性」についての情報です。

「加齢黄斑変性」も「遺伝性黄斑変性」も、症状は同じです。網膜の中心にには重要な視覚情報を識別する細胞が集まっているわけですが、そこの細胞に変性が生じるわけですからね、ものがぼやけて見えたりかすんで見えたりして視力が低下し始め、進行すると特徴的な症状が現れます。

視野の一部が歪んで見えたり視野の中心が黒く欠損して見えなくなったりするのです。そして、当然ながら色の識別も難しくなり色覚異常が起こるのですよ。

うちの夫は、40歳過ぎでメガネを作ってもらいに行った時の検査で偶然分かりました。黄斑周辺に細胞が死んで黒い斑点になっている部分が出来ていたんです。現在はもう斑点だらけです。

「加齢黄斑変性」は、老化現象の1つであると考えられています。萎縮型と滲出型という2種類があって、滲出型の場合は治療方法があるそうです。

しかし、遺伝性の「スターガルト病」の場合は、遺伝子によって黄斑の細胞が死んでいくことが決まっているわけですからね、治療方法は無いんですよ。

そして、遺伝性の場合は老化とは関係なく、若いうちから症状が出始める場合も多いのです。

夫の目が見えていないことに気づかされるエピソードは、病気の進行とともに増えて来ていますが、色の違いが分かりにくくなっていることは昨日の鍵の件で気づきました。家族も理解しておく必要があります。

ただし、文字を読むことは驚くほどよく出来るんですよ。老眼鏡をかけても虫ネガネがないと小さい文字を読めない私なんかよりも、よく読めます。印刷物も、コンピューターのモニターの文字も、iPhone の小さな画面の文字もです。

視野の中心はすでに見えていないのに、どうやって文字を読んでいるんだろうかと驚かされるんですけどね。視野の中心を読みたい文字ではなくて別のところに合わせるんだそうです。そうすると見える部分があるので、その部分で読んでいるそうです。

それと、夫は若い頃に速読の訓練をしているので、文字を読むのではなくて複数の単語の組み合わせの形で読むということに慣れているのも助けになっているそうですよ。

文字を読めているうちは、仕事を続けることが出来ます。ただし、最近はスタッフやお客さんの顔の認識が難しくなって来ているそうですけどね。

まあ、この病気は良くなることはないんですから。これから少しずつ進行して、いつかは文字を読むことも出来なくなるわけです。進行がゆっくりであることを祈るだけなんです。


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