ああ…
大爆発した私の怒りは、
たったの一日しか持たなかったのだった!
やっぱりね、私って心根が優しい人なんですよ。
エンパシー(Empathy)という言葉がありますよね、他人の気持ちを思いやって感情移入することですけど、エンパシーが強いのですよ。犬に対しても。
何だかビシューが可哀想になってしまいまして。
この2ヶ月毎日一緒に過ごしてきたお母さんが、ご飯やおやつをくれて、ボールで遊んでくれて、散歩や外遊びに連れて行ってくれて、お膝でお昼寝もさせてくれて、時にはベッドで一緒に寝させてくれるお母さんが、ある時、突然恐ろしい顔をして大声で怒鳴り、その後ずっと自分のことを完全に無視している。
犬にとってみれば、
ワケワカラン!
今まで自由に入っていたお母さんの部屋もドアが閉まっていて中に入れなくなったし、出てきてもお母さんは視線も合わせてくれない。ご飯もくれないし、遊んでもくれないし、話しかけてもくれない。
どうしちゃったの?
あまりお利口ではないビシューも、何だか良くないことが起きていることだけは理解しているらしくて、悲しい顔をして私の様子を離れたところからじっと見ているんですよ。
このままでは、私はこの犬の心を傷つけてしまうなと思いましてね。
そりゃあまあ、私が靴探しに苦労していることも、かじった靴が私が持っている唯一の夏の靴でめったに見つからない「一日中履いて歩き回っても疲れない快適な靴」だったなんて知らなかったわけで。
靴をかじるのは悪い癖だけど、犬なんだし。
むちゃくちゃ腹は立ったんですけどね、悲しそうな顔で(顔の毛のせいでそう見える可能性が大きいけど)私を見つめるビシューに冷たい態度を取り続けることは、
出来ませんでした…
日中一人ぼっちになって寂しそうなので、私のデスクがある部屋のドアを開けて、またビシューが中に入って来れるようにしてやりました。
そうしたら、この犬が最初にしたことは、私が室内履きにしているサンダルの一つを失敬して行くことだったんですよ。
私はデスクの前に座る時には、よくサンダルを脱ぐのです。
部屋から出ようとして、サンダルを履こうとしましたら、一つ無い。
まさか…
と思ってビシューを探すと、自分のベッドでサンダルをかじっていました。
油断も隙もないのでございます。
サンダルを取り上げて再び大声で怒鳴らずにいられなかったのはもちろんですが、怒鳴った後に感じたのは愚かさ、と言うかバカバカしさ。
この犬が靴泥棒(および靴下泥棒)であることは最初から分かっていたことなんですよ。だから、靴をかじられるのは油断した人間が悪いんです。
大事な靴は、絶対に犬には手が届かない戸棚の中に入れておくべきだったんです。
ああ…
きっといい靴がまた見つかりますよね。頑張ります。
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