2021年8月13日

入院4日目に退院

入院4日目の朝は、目が覚めた時に病室内がほとんど回転していないと気づきました。

見る角度によってはほぼ普通に見えたし、おトイレにはもう完全に自信を持って一人で行けるようになっていましたから、この日のうちに家に帰れると確信しました。

医者からは、入院は家に帰っても大丈夫だと自分で心配を感じない状態になるまでだと聞いていましたしね。

病院にそのままいても家に帰ってもすることは同じなんですよ。薬を飲んで安静にしていることだけです。私の場合は、家に帰っても世話をしてくれる人がいるわけですからね、病院にいた方が良い理由はありませんでした。病棟は騒々しくて眠れないし、私は家に帰りたかった。病院としても、家に帰ることが出きる患者は帰す、入院期間はできるだけ短くする方針です。

家に帰るためには、歩行状態のアセスメントでOKをもらわなくてはいけません。

前日にリハビリを教えてくれた理学療法士の方から借りた杖(ウォーキングスティック)を使いながら、壁や手すりにつかまらずに廊下を歩く練習をしましたら何とか歩けました。

これならもう絶対に家に帰れます。

早くお医者さん来てちょうだい!

それに、この日の朝は吐き気が無くなっていたので、ついに朝ごはんを食べることができたんですよ。

と言いましても、オーストラリアの公立病院で出される食事に期待してはいけません。

朝ご飯は、ゴルフボールよりも少し大きいくらいの小さな丸いパンが1個とコーンフレークとミルク、カップに入ったお湯(これにティーバッグなりインスタントコーヒーなり入れて飲む)と小さく切ったフルーツのシロップ漬けみたいなの。それだけでした。

それだけでも、食べることができて力がみなぎるようでしたよ。

回診には前日歩行状態のアセスメントに来た男性医師と女性医師との2人が来ました。

元気一杯を演じる私は、おトイレまでなんてヒョイヒョイと問題なく歩き、廊下も杖を使いながらですけど「家にはこれとよく似た杖を持っているんです!」と言いながら、壁につかまらずに廊下の向こう側まで行って帰り(結構無理をして頑張っていたんですけど)、即退院許可が降りたのでございました。

それから1時間後には、いつでも帰ってよろしいということになりました。

この日はうちの夫が仕事が休みで家にいたので、息子が運転する車で二人で迎えに来てくれました。玄関までは車椅子で運ばれました。

家に帰ってから服用しなくてはいけない薬は、いつも薬を買っている薬局に寄って買いました。病院の薬局でもらうと待ち時間がすごいことになりますので。


こうして退院したわけですけど、支払いはゼロでした。

オーストラリアの公立病院での治療は、基本的にすべての国民に対して無料で提供されています。だから、大変なんですよ。医療サービスに莫大な費用がかかりますから予算を削られて、公立病院の数は減らされ、待ち時間がすごいことになっているわけです。

新型コロナの感染者が増えれば、すべての感染者を平等に受け入れて無料で治療するのですからね、感染者が増えると公的医療制度はたちまち破綻してしまいます。

オーストラリアで感染抑制のために非常に厳しい規制とロックダウンが繰り返されている理由の一つがこれです。感染者を出すわけにはいかないのですよ。

とにかく、

私は入院4日目に家に帰ることができたのでございました。

案の定、この話は前回救急車で運ばれた「キッチン転倒顔面強打事件」以来のかつてない面白いストーリーということで、夫はいろいろな人に喋りまくっていました。

別にいいですけど…

しかし、「何かできることがあったらいつでも何でも言って」と助けを申し出てくださった人が大勢いたのも喋りまくったおかげと言うか、ありがたいことです。

ほら、あれですよ、うちの夫が視力のせいで車の運転ができなくなったという「お気の毒な話」の直後のもう一つの「お気の毒な話」ということで、皆さんの同情を集めているというのがあるんじゃあないかと思うんですけど。

とにかく、回転する目まいは消えました。

ふらつきが残っていますが、毎日少しずつそのふらつきも良くなって来ています。

もうすぐ、うちの夫は新しく開店する店舗に勤務し始めますので、早く治って運転ができるようにならないといけません。でも、今回の件で、息子が再び運転をするようになったので、夫の送り迎えを息子に頼めるようになると思います。あるいは、夫はもっとバスを利用することも考えるでしょう。

晩ご飯作りは、仕事で帰宅が遅くなることが多い娘に代わって、息子が担当しています。

先日は、なんとかき揚げ天ぷらを作りましたよ。ざるうどんとかき揚げ天ぷらの晩ご飯でした。一昨日は、いんげんの胡麻和えと塩鮭を焼いたのとお味噌汁とご飯。このお味噌汁は百点満点の出来でした。

息子は私のレシピサイトを見ながら作っていますから、基本的に私が作る料理の味です。

何となく毎日部屋にこもっていた息子が、必要に迫られて運転を再開し、掃除洗濯、晩ご飯作りに後片付けと、大活躍なんですよ。家族からも有難がられていますから、本人も気分が良いのでしょう。昨晩は豚肉と豆腐のピリ辛そぼろを作りながら、歌を歌っていましたからねえ。

私が病気になると息子の自信アップにつながるから、ヒロコはもっと病気になった方が良いと夫は言っています。

何だそれ…


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