一昨日、キッチンのカウンターの上に黄色い大きな封筒が置いてあるのを見ました。
封筒にはぐにゃりと曲がった長い物が入っているようで、「ああ、先日娘が丸刈りをした時に切った髪の毛の束を郵送しようと準備したのだな」と思いました。
宛先を見ると、見慣れない住所。
オーストラリアの住所の場合、州の名前の横に4桁の郵便番号を書きますが、それがない。
「MN 55744」と書いてあって、
これってアメリカの住所じゃないの?
「アメリカの住所なら、一番下に U.S.A. と書かなくちゃあダメよ、国際郵便と分からないでしょ」などと娘に言いながら、お母さんは思ったんです。
なぜアメリカなのか!
髪の毛を、なぜアメリカに送るのだ。オーストラリアにも病気で髪の毛を失った人達が大勢いるのに。そうした人達のためにウィッグを作る団体は、オーストラリアにはないのか?
娘に、わざわざアメリカに送る理由を聞くと、グーグルで髪の毛を寄付できる団体を探した時に、シャンプーブランドのパンテーン(Pantene)のウェブサイトを見つけ、髪の毛を寄付できる団体の住所を見つけたというだけで、特に理由などなかったのでした。
調べると、アメリカの企業であるパンテーンですから、当然アメリカのガン患者にウィッグを提供するプログラムを運営しているのであって、アメリカに送った髪の毛がオーストラリアのガン患者を助けてくれるわけではないのです。当たり前だけど。
考えが足りない!
オーストラリア人なんだから、オーストラリアの病気の人達のために寄付するべきじゃないの?オーストラリア国内の団体を探しなさいよ!
という事で、勉強で忙しそうだった娘に代わり私がリサーチいたしましたところ、オーストラリア国内にも複数の団体があるのです。ところが、寄付する髪の毛の長さの条件がどこもかなり厳しいのですよ。
例えば、Variety Australia という子供達にウィッグを提供するチャリティ団体だと、長さは14インチ(35.5センチ)以上。Australia Alopecia Areata Foundation という脱毛症の人達にウィッグを提供するチャリティ団体だと36センチ以上。
娘の髪の毛は、30センチはあるけど長さが足りていないのです。
パンテーンの場合は、20センチあればよいのですが。
仕方がないからアメリカに送ろうかと考えていたところ、AAAF のウェブサイトをよく読むと、長さが足りていなくても受け付けると書いてありましたので、そこに送ることにしました。住所はフランクストン・サウス(Frankston South)でメルボルンの南だから、郵便代もわずかしかかからないしな。
世界第3位の人口を持つアメリカは、チャリティ団体も多いし、オーストラリアから髪の毛を寄付する必要もないでしょう。
ところで、うちの娘ですが、丸坊主スタイルが大変にお気に入りの様子です。一日に何度も何度も鏡に自分の姿を映しては、ニヤニヤしているんです。
少しでも長く突き出た髪の毛を発見するとハサミで切って、完璧な丸坊主を目指している様子でね。
昨日は、メイクもバッチリ、赤い口紅まで塗って、大きな黒いイヤリングを着けて、全身黒づくめファッションで大学へ意気揚々と出掛けました。(もうパニック発作なんて昔の話だな。)
しばらくして娘からメッセージが届きました。
大学はイースター連休を含む第1セメスターの中間休み中で閉まっていたそうです。
なんだそれ!
お帰りの前に1クリックを!
お嬢さんがどんな風に変わるのか、外見は勿論ですが、精神的な変化を
返信削除おっかなびっくりな気持ちで拝見していました。
女性ですから勇気のいることですが、お嬢さんには必要なことだったんでしょう。
黒づくめのファッションに赤い口紅。パンクと言うか、ロックと言うか
とても目立ちますし、ファッショナブルでもありますね。
丸坊主にタートルネックの黒いセーター、ぴったりしたパンツ、編上げの靴。
背筋を伸ばして大股で歩く。なんとなくそんな姿を思い浮かべました。
折角切った髪を有意義に使って貰えるようサポートしたお母さんも素敵だなと
思います。
私も何か人の為に役に立つことをしたくなりました。
寒い地方の子に帽子を編んで送るプロジェクトがあるらしいですから
それやってみます。
髪を贈ることに比べたら、小さいですけれど。
というか、白髪ですし。量もこっちが貰いたいくらいなので(^_^;)
ヒロコさんがお嬢さんの為に編んだ帽子も拝見したいです。
娘はゴス系ファッションを好んでいたのですけど、大人になってきてゴスはやめたようです。丸坊主になってからは、意識してスタイリッシュな身なりにするのを楽しんでいるようです。とにかくハッピーで、自身に満ち溢れた感じで、今までだとできなかったことも普通にやり始めましたよ。例えば、レストランに電話して予約を入れるとか。
返信削除