息子のカイは、幼い頃から気が優しくて、内気で引っ込み思案で何事も遠慮がち。もちろん人を引っ張るリーダーではないけど、人について行く子分気質でもなく、息子の友だちからは Loner(一人で行動する人)と呼ばれておりました。
今でも忘れない思い出の一つが、日本の夏祭りでのこと。
子供たちへの無料プレゼントが始まりましてね、子供たちが群がりました。息子は当然一番後ろに静かに並び、自分の番が来るのをじっと待つ。やっと息子の番になったと思ったら「ごめんね、プレゼントなくなっちゃった!」とお姉さん。一人だまって涙を流す息子であった。(あれは可哀想だったな…。)
夜店や屋台がずらりと並び、息子は買いたいものがあったのだけど、自分で買う勇気がない。それを察した2歳の妹が「私が言ってあげる」と助け舟を出し、妹のおかげで欲しいものを手に入れたのでした。
初めて自分で買い物をしたのは、小学校4年生の時。ドーナツショップの前でドーナツを見つめる息子。
「ドーナツ欲しいの?」
「うん」
「自分で買うのなら買っていいよ。お金あげるから」と私が言うと、いつものように「いい…」との返事。
「あんたねえ、もう4年生でしょ。ドーナツ一つ買えなくてどうするの!勇気出しなさい!」
脅迫する母親に涙目になりつつ無理やりドーナツを買わされたのでした。
こういった逸話は数知れず。
今年の11月には20歳になるというのに、学校がない日は毎日家にいる息子。友達と遊びに行くこともないし、アルバイトをすることもない。アルバイトができないというよりもアルバイトを探す度胸も意欲もないというか。知らない人と話をしたりするのがねえ、苦手なのよ。
「今年学校が終わったら、ちゃんと就職してくれよ!」と祈るお母さんでしたが、来週からアルバイトをすることになりました。夫が勤めるツールショップで、商品を並べたり移動したりラベルを貼ったり掃除をしたりという仕事です。お父さんと一緒なら、ということです。(いやはや…。)
ビデオゲームのクリエーターを目指す息子ですけど、労働の意味を知るには良い経験になるはず。いつまで続くか知りませんけど。だってね、もうすぐ将来がかかった卒業プロジェクトの制作が始まるのよ。昨年も10〜11月は、毎日コンピューターの前に座りっぱなしだったしな。
ま、両立が無理になれば本人が考えるでしょう。
頑張れ息子。
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