2016年4月29日

高額過ぎる歯科医療

日本では歯科医療も当然健康保険でカバーされていますから、日本に住んでいた頃には虫歯など特に治療が必要でなくても、定期検診や歯石クリーニングなどに行っておりましたが、オーストラリアではそういうわけにはいきません。

メディケア(公費で医療費の一部を負担する制度)でカバーされていないからです。経済的にゆとりがあり、民間の医療保険に加入していらっしゃる皆さんはそちらの保険でカバーされますけど、「保険料が高額な民間医療保険への加入などとても無理!」という家庭がほとんどですから(我が家もそうですけど)、メディケアでカバーされない歯医者さんに行くと、ちょっと診てもらうだけで200ドル近くかかかってしまいます。

必然的に、よほどの必要がなければ歯医者さんには行けないということになるわけです。私はオーストラリア生活20年以上になるわけですが、これまで歯医者に行ったのは3回だけです。

公共の歯科医療がないわけではありません。経済的に恵まれない家庭や高齢者、アボリジニや移民の皆さんなど、公共の歯科医療機関で治療が受けられる方々も大勢います。

何を隠そう、うちの夫が前回「うつ」でダウンした時は、何度も書いてきましたけど本当に食べていくのに困窮しておりましたので、Centrelink で生活保護のような給付金を頂いていた時期がありました。そうした給付金をいただくような困窮した家庭には、「ヘルスケアカード Health Care Card」というものが発行されます。私達家族は、このカードを持っていたので、様々な公共サービスが割引価格あるいは無料で利用できたのですが、公共の歯科医療機関も利用できたんです。

ある時、歯茎が膨れ上がりまして、歯が疼き始めたのですよ。数年ぶりの歯痛で、のたうちまわる私。しかし「歯医者に行くお金なんてない!どうしたらいいのっ!」

インターネットで調べると、ヘルスケアカード保持者は公共の歯科医療機関が利用できると書いてあり、我が家のすぐ近くに EACH の歯科医院があったのです。電話をしますと、緊急ということでその日のうちに診ていただくことができ、支払ったのは確か25ドルほどでした。ほんとうに助かりました。

しかし、ある程度の収入があると ヘルスケアカードはすぐに無効にされてしまいます。

要するに、オーストラリアでは「経済的に困窮している」と「経済的にゆとりがある」の間にいる者にとっては、基本的に歯科医療は高額すぎて治療が受けづらいものだということです。

うちの息子のカイは、昨年末以来ずっと歯の問題に悩まされておりまして、親知らずがにょきにょきと生えてきた上、虫歯のような穴が開いている奥歯があり、また基本的に歯質が悪いので見た目も悪く、歯医者に診てもらいたいと幾度となく訴えておりましたのに、ご存知のように夫が再び「うつ」でダウンしておりますので(現在5ヶ月目)経済的に難しかったわけです。

しかしですね、このままにしておくことはできないと、やっとのことで本日歯医者に連れて行って診てもらいました。検診料は165ドルでした。只今、奥歯のX線検査に行っております。なんで歯科医院にそういう設備がないんだろうといつも思います。X線検査にしろCTスキャンにしろMRIにしろ血液検査にしろ、いちいち専門の機関に行かなくちゃあなりませんので面倒です。もちろん総合病院だったら全てそこにそろっていますけど、民間の総合病院には行けませんので、公共の総合病院に行くしかありませんが、待ち時間がすさまじいです。緊急でなければ行ってその日に診てもらうこともできない場合があります。歯科の場合はそもそも診てもらえません。

X線検査がいくらかかるのか、さらにその後の治療にいくらかかるのか。まあ1000ドルは覚悟しておりますけど。

オーストラリアでは、歯を大事にしないといけません。

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2 件のコメント:

  1. こんばんは。私は、今メルボルンにワーホリで滞在していて、ちょっとした調べ事からこのブログにやってきました。そしたらいつの間にかいろんな記事を読ませていただきました。こうやって、ブログにコメントを残すのも初めてです。が、なんだか書きたくなりました。なんて言えばいいのか分かりませんが、とりあえず、自分もっと頑張ろう!と思いました。
    この記事も、凄くためになりました。自分も歯はそんなに良くないので・・・、オーストラリアに移民するとなると大変そうですね汗 これからも陰ながら応援してます!

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    1. Tomoさん、コメントありがとうございます。ブログをやっていて、あなたのような見ず知らずの方から励まされたり感謝されたりする度に、私自身もまた頑張ろうって元気が出るんです。オーストラリアに移民した先輩としてエールを送ります。この国で生きていくためには、まずは言葉ですよ。頑張って!

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