2016年4月24日

モカエキスプレス購入を躊躇する理由

私はコーヒーは昔からメリタ党でして、メリタの陶器製ドリッパーとグラスポットを愛用してまいりました。コーヒーをいれるため専用のメリタ製ケトルも大事に使っておりますけど、ケトルはいいのよ割れないから。

問題は耐熱ガラス製ポットと陶器製のドリッパー。頻繁に引っ越しを繰り返してきたため、ある時グラスポットが割れてしまいました。それに続いて3〜4杯用ドリッパーも割れ、残るは1〜2杯用の小さな陶器製ドリッパーのみ。この陶器製のドリッパーを直接コーヒーマグに乗せてコーヒーをいれているんですが、複数杯分のコーヒーをいれる必要がある時には不便なんです。

電気のコーヒーメーカーを買おうかと思ったこともありますが、オーストラリアではドリップ式が不人気なので、売られているコーヒーメーカーはどれもデザインがダサい。しかもデカイ。あんなものを買ったら置くところに困る。

などと言っていたら、先日1〜2杯用陶器製のドリッパーが小さく欠けてしまったんです。メリタの商品は売っていませんから、他のブランドで妥協するかと思ってもみたけど、不人気なせいかとにかくドリップ方式でコーヒーをいれるための道具が殆ど売られていません。見つけたのはダイソーのプラスチックドリッパーだけ。あれでコーヒーをいれるのはちょっとねえ...。やっぱりプラスチックには抵抗があります。

オンラインなら買えますよ。日本から海外に小包を転送してくれるサービスも利用できますし。でも、そこまでお金をかけることもないかと悩んでいたところ、イタリア系の人達に人気の直火式のコーヒーメーカーはどうだろうかと娘のサチが言うのです。娘も最近すっかりコーヒー党でして、メリタの陶器製ドリッパーを使っていますが、あれしかコーヒーをいれる道具がないということは、あれが割れたらもう私たちはコーヒーを飲めなくなるってこと!

プランジャーは嫌だし、場所をとるものは駄目だし、わざわざ海外から割れるリスクを承知で購入するのもどうかなあと思うし、というわけで直火式のコーヒーメーカーを買おうかと思っています。

Wikipediaで調べると「マキネッタ」とも呼ばれるこの器具は、イタリアのビアレッティ社が発明したとのことで、現在も世界的に人気のブランドであり「マキネッタ」といえばビアレッティ社の商品である「モカエキスプレス」を指すほどなんだそうです。

じゃあ、ビアレッティ社の「モカエキスプレス」を買おうと思いまして調べると、やはりイタリア系の人が多いメルボルンですから売られています。様々なサイズがあります。しかし問題発見!

何なんですかこれ!



ビアレッティ社のキャラクターかマスコットなんでしょうか。全商品にこのおじさんが印刷されているんですけど、これは購買意欲をくじくんじゃあないですか?

少なくとも私の購買意欲は、完全にくじけました。

このおじさんが付いているとビアレッティ社ブランドの証しなのでしょうけど、カッコ悪いじゃないの?品質は折り紙つきなんでしょうけど、コーヒーをいれる度にこの人の姿を見るのは、ちょっとねえ。またこういうのを所有するのも、ちょっとねえ。私のキッチンにこれを置いておきたくないというか、う〜ん、私の感覚の問題かなあ?

いやあ、惜しい。

と言いつつ早速調べましたらね、このビアレッティ社のマスコットは、創設者アルフォンソ・ビアレッティさんの息子であるレナート・ビアレッティさんだそうです。レナートさんが「エスプレッソもう一杯!」と人差し指を高く上げているカリカチュアというわけです。この方、今年の2月に93歳でお亡くなりになりました。イタリアでコーヒーを語る時に絶対に忘れてはならない人らしいです。



モカポットとも呼ばれるこの「モカエキスプレス」を発明したのは、 Luigi De Ponti という人で、これを商品化したのが創設者のアルフォンソさん。この商品を第二次大戦後に大々的にマーケティングして販売を伸ばし、会社を大きくしたのがこの髭の人レナートさん。

イタリアの9割の家庭にあるという「モカエキスプレス」は、イタリア人にとってはフィアットの500(チンクェチェント)やスクーターのベスパなどとともにナショナルアイコン(国の象徴)と認識されているのだそうな。

そうでしたか。失礼しました。

そういう歴史を知ってから見れば、それほど嫌ではないかもしれないな。

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