2013年1月6日

休みが長すぎると不満を言う人

先日、私が本や絵本やCDを売っている「My Garage Sale」というサイトで、子供さんのために絵本や童謡のCDを買ってくださった方がいた。その方はWilliamstown ウイリアムズタウンに住んでいらっしゃった。

夫が、買ってくださった商品をお届けがてらにWilliamstownまでドライブに行こうと誘ってくれたので、久しぶりに二人だけでドライブにでかけた。

Williamstownはメルボルンの西側にある街だ。河口のHobsons Bay ホブソンズ湾に面する歴史のある小さな街である。

私達が住むRingwood リングウッドから高速道路を使ってWilliamstownまで50分。日曜日の朝だから道路がすいていて良かった。

車中での会話は主に仕事のことで、夫はこのクリスマス&正月休みが長すぎると繰り返し不満を言うのだった。することがなくて退屈だというのである。

夫の夏休みは、クリスマス前の月曜日から始まったが、その前の土日を入れると12月22日から1月13日まで23日間もある。子供達も学校が休みなのだから、いろんなことができるだろうと皆さんはお思いかもしれないが、我が家にはレジャーに使うような余分なお金はないんだから、とにかくお金を使わず楽しむとなるとできることが限られる...、と夫は言う。

「することならいくらでもあるでしょう?まず、玄関外に置きっぱなしになっている物を片付けるとか、デスクを整理するとか、アウトドアのテーブルセットにオイルを塗りなおすとか...」

私としては、夫にやって欲しいことがたくさんあるのだが、夫は片付けなどには興味がなく、早く仕事に戻りたくてうずうずしていると言う。

商品をお届けした後に港の方へ出て散歩をした。向こうの方にオーストラリア海軍の艦船カッスルメインが見える。


きれいなヨットやレジャーボートがずらりと停泊している桟橋を歩き始めてすぐ、なにやら電動工具の音が聞こえてきた。

夫はFestoolという電動工具の会社に勤めているのだが、その音がFestoolの道具の音に似ていると言う。さらに桟橋を歩いて行くと夫が叫んだ。

「ほら見て!あの人、Festoolを使っているよ!」

まあ、大したものだ。確かに、一人の男性がヨットのデッキの板をFestoolの電動サンダーでサンディングしていた。仕事に戻りたくてうずうずしている夫が、これを見て黙って通り過ぎるわけがない。

夫は桟橋からその男性に話しかけ、使っているFestoolの道具についての感想をたずねた。男性は、「Awesome! 素晴らしいよ!」と答えた。そして、ヨットのメンテナンスのことやそれに必要な道具の話をし始めた。話は長くなり、男性は夫をヨットに招いて船を桟橋に寄せ、夫はヨットに乗り込んで行ってしまった。


夫は、まさに「水を得た魚」であった。こりゃ長くなるぞと思ったので、私は一人で散歩をすることにした。桟橋の先で海を眺めていると、夫が満面の笑みでやって来た。声が高くなっており興奮の度合いがうかがわれる。

夫は、ヨットのメンテナンスにFestoolの電動工具がどれほど役立つか、またそれらの性能が適しているか、船やヨットの建造&メンテナンス分野におけるビジネスの可能性を私に話した。すっかり興奮して、夏休みはまだもう1週間残っているというのに、明日から仕事に行くと言い出す始末であった。

自分の仕事がこれほど好きな夫。幸運なことである。

海を眺める夫の頭の中は仕事のことでいっぱい


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