オーストラリアは知る人ぞ知る「ハエ大国」である。広い国土に広がる牧草地とブッシュ地帯。そこに住む家畜や野生動物の糞の量は半端ではない。牛糞、羊糞、ヤギ糞、豚糞、アルパカ糞、野生ラクダ糞…と、オーストラリア中が糞だらけ。また、高い山の上をのぞいて全国的に気候は年中温暖で、ハエの繁殖には絶好の条件が揃っているのだ。
真夏のメルボルンで開催される全豪オープンテニスの会場でも、プレイ中にしきりにハエを払いのける選手達を見たことのある方も多いだろう。
大都市のど真ん中ですら窓を開けたら1匹や2匹は家の中に入ってくるくらいハエがいるのだから、牧草地に近い郊外や内陸部に行けば、どれほどたくさんのハエがいるかは想像していただけるかもしれない。しかし、実際には一般的日本人の皆さんの想像を絶するくらいにいっぱいいるんです!
夫の実家があるヒールズビルという町は、メルボルンから車で1時間ほど東に行ったヤラバレーという地域にある。近年、ヤラバレーの牧草地は次々にワイン用のブドウ畑に変わってきているが、それでもまだそのほとんどは牧草地である。牛や羊がのどかに草を食む姿を見ることができる。
夫の実家は、このような町のはずれにある24エーカーもの広さの牧場を持つ大きな家だ。ある暑い夏の日、私はオーストラリア式バーベキューに招待された。この日のバーベキューのことは、一生忘れることはない。
大きな鉄板に隙間なく並べられた美味しそうなソーセージやステーキ。ジュージューと音を立て、盛大に煙を出しながら肉が焼けていく。すると、どこからともなく黒い点々のかたまりが煙のように現れた。
ハエの大群であった!
ハエは、鉄板の上で焼けこげていく肉やソーセージに狙いを定め、猛烈にアタックを始めたが、とにかく鉄板の上は非常に熱いので、やはり肉の上に着陸するのはごく一部の猛者に限られており、多くのハエは辺りをブンブンと大きな音を立てて飛んでいるのだった。
ハエは、鉄板の上で焼けこげていく肉やソーセージに狙いを定め、猛烈にアタックを始めたが、とにかく鉄板の上は非常に熱いので、やはり肉の上に着陸するのはごく一部の猛者に限られており、多くのハエは辺りをブンブンと大きな音を立てて飛んでいるのだった。
私は、生まれてこのかたそれほどたくさんのハエを見たことがなかったので、言葉を失った。
ハエ達が攻撃するのは、肉やソーセージばかりではない。水気のある人間の目や鼻や口の周りは、最大の攻撃対象である。
ハエ達が攻撃するのは、肉やソーセージばかりではない。水気のある人間の目や鼻や口の周りは、最大の攻撃対象である。
汗をかいた人の服もハエ達は大好きである。バーベキューに集まった人々の背中には、それぞれ何十匹ものハエが取り付いていた。どの人の頭の上にも顔の周りにも、ハエがブンブンと飛び交っていた。
しばらくして、焼けた肉やソーセージが次々に大皿に盛られた。ハエにとっては待ちに待ったチャンス!
しばらくして、焼けた肉やソーセージが次々に大皿に盛られた。ハエにとっては待ちに待ったチャンス!
あっという間に黒い点々が隙間がないほど肉を覆った。人々は、それらのハエを気にする様子もなく、ひょいと手でハエを追い払いながら自分の皿に肉やソーセージを取り、テーブルに並べられたサラダやポテトも好きなだけ皿に取ってきて、各自適当な場所を見つけて食べ始めた。
食べている間も、もちろんハエは絶え間なくお皿の上のご馳走と顔を攻撃してくるので、皆さん常に手でハエを払いつつ、口の唾液攻撃にやって来るハエを誤って飲み込まないよう注意しながらの食事である。
食べている間も、もちろんハエは絶え間なくお皿の上のご馳走と顔を攻撃してくるので、皆さん常に手でハエを払いつつ、口の唾液攻撃にやって来るハエを誤って飲み込まないよう注意しながらの食事である。
しかし、全てのハエを追い払いながら食べることが出来るわけはなく、数匹は常にごちそうの上にたかっているのだ。
私は、ハエがたかりまくっている肉を、数十匹のハエの攻撃を受けながら食べるということが出来なかった。というか、あんなにハエがたかっている肉を食べるのは気持ち悪かったのだ。
私は、ハエがたかりまくっている肉を、数十匹のハエの攻撃を受けながら食べるということが出来なかった。というか、あんなにハエがたかっている肉を食べるのは気持ち悪かったのだ。
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