2011年11月2日

カンタス労使紛争は停戦中

国内線及び国際線全便の運航を停止させ、世界中で大きな混乱を引き起こした我らがオーストラリアのフラッグシップ「カンタス航空」だが、ようやく運航が正常化したようだ。

運航が全て止まった2日間で7万人が影響を受け、観光業界の経済損失が1日当たり200億円以上だったとか。

連邦政府の要請を受けて緊急審理を行った労使裁定機関である Fair Work Australia (FWA) が労組側にストライキの即時停止を命令した。大混乱と大損害をもたらした労使紛争は、とりあえず一時的ではあるが会社側の狙い通りに一時的に収束した。

カンタス社労使には21日間の交渉期間が与えられており、この期間に同意に至らなければ、FWA の命令によって解決させられることになっている。

新聞などでは、運航停止の引き金となった労組側からの「不可能な要求」というのがいかなる要求であるのか、いろいろ報道されている。

パイロット、整備士、地上職員(主に荷物取扱部門)の賃上げ・労働条件改善要求に関してはおおむね労使間の同意ができていたらしいが、一番の問題となったのはカンタス社の社員ではない契約従業員に対しても同等に賃上げ・労働条件の改善を適応せよという点だったとか。

しかし、カンタス社の社員の皆さん、会社が国際線の赤字で経営が難しくなっているというのに「給料を上げろ」「もっと休みをよこせ」「仕事を保証しろ」「海外へ事業を移すな」「人件費の安い外国人を雇うな」と、よくもまあこれだけしょっちゅうストライキをするものだ。

今日の新聞記事によると、カンタス社は利用客を呼び戻そうと運賃の値下げやフリークエントフライヤーポイントの倍増などを計画しているらしい。また、繁忙期のクリスマスシーズン前に顧客の信頼を取り戻すため、同社の歴史で最大規模となるキャンペーンを展開するのだとか。

しかし、まず安定運航によって顧客の信頼を取り戻すのが一番大切だと思うよ。21日間の交渉期間中だけはストライキを行わないことになっているらしいが、その後はどうよ。フライトのキャンセルや遅延が頻発するようなことがまた起こり始めれば、お客さんは戻ってきません。カンタスは確実につぶれます。


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