2024年11月6日

首の腫れはがんだった

良くない話題が続いていますが、今日の話題も良くないです。うちの夫の叔父さんのことです。叔父さんと言っても、歳は私と同じくらいなんです。年齢が近いので、夫は子供の頃からこの叔父さんとは親しい仲なのです。

私達が1000キロ運転旅行に行った時、この叔父さん夫婦の家に泊めてもらったのですが、それはもう2ヶ月も前のことになります。

最初の夜、晩ご飯を一緒に食べながらうちの夫の目の病気の話になった時、叔父さんは自分の首が腫れていることを話しました。腫れているだけじゃあなくてしこりがあるとも言いました。そう言われてよく見ると、その腫れというのはめちゃくちゃ大きくて、首のあたりから脇の下まで膨らんでいたんです。

私はすぐにリンパ節に何か出来ていると思いました。リンパ節が腫れるような病気をしていないのに腫れているということは、悪いものが出来ているのではないかと思いました。

叔父さんは、バスの洗車や掃除をする仕事をしているんですけど、首や肩を酷使し過ぎているせいで首が凝っているのかもしれないとか、最近鼻水がよく出るから、その鼻水が首のあたりに溜まっているんじゃあないかとか、呆れるようなことを言いました。

首の腫れと関係があるのかどうかは分からないけど、仰向けで寝ると息が出来なくなるとか、夜寝ている時にものすごい汗をかくとか、発疹が出て痒いとか言うので、うちの夫がグーグルで調べたら悪いものである可能性が大きかったです。

叔父さんが住んでいるのは、ヴィクトリア州西部にあるペンズハースト(Penshurst)という小さな町で、その町には医療サービスなどありません。

食品や日用品の買い物には、車で30分のハミルトン(Hamilton)という町まで行かなくてはいけません。ハミルトンには公立病院がありますが医療事情は良くなくて、数少ないGP(一般開業医)に会うのには6〜8週間待ちだと言っていました。

医者嫌いの叔父さんに、一日も早く医者に相談して検査を受けるようにと夫は強く言いました。叔父さんの家を出る時にも医者に行くようにと念を押しました。ハミルトンでは時間がかかり過ぎるので、メルボルンの病院へ行くようにとも言っていました。

そして昨日、叔父さんから電話があったんです。首の腫れはがんだったと教えてくれました。舌がんが首や脇のリンパ節に転移して、全身のリンパ組織に広がっているそうです。

私達が恐れたよりも深刻な状態でした。もっと早く検査を受けていたらと悔やまれます。本当に残念です。


叔父さんは不便な所に住んでいますが、そこで欲しかった暮らしを手に入れているんです。リタイヤしたらやりたいことが山ほどあったのに、がんの治療のためにリタイアしなくちゃあいけなくなりました。

ハミルトンの病院では治療を受けることが出来ないので、メルボルンの病院で治療を受け始めたそうで、先週の金曜日には歯を6本抜いたそうです。全身麻酔が出来ないため、局所麻酔で6本も一度に抜いたそうです。

もうすぐ6週間の放射線治療が始まります。切除手術はしないそうです。

食べ物を口から食べることが出来なくなるので、胃ろうの処置もするそうです。これからは、食べ物はドロドロにしたものをチューブで直接胃に入れることになります。

放射線治療をして余命がどのくらいになるのか分かりませんが、叔父さんはもう長くはないと覚悟を決めて、持ち物や財産の処理を始めたそうです。

末期の舌がんですから、これからの残りの日々は苦しいものになります。口から飲食が出来なくなるわけですし、すでに寝ている時の呼吸が困難になっていますし、会話が困難になったりもするそうです。激しい痛みも生じます。

そういう話を聞いて、うちの夫は叔父さんに自発的安楽死が合法化されていることを知っているかと聞いたそうです。叔父さんは知らなかったので、うちの夫にいろいろ質問したそうです。

うちの夫は、偶然にも最近安楽死を選択した同級生に会いました。看護師として働いていたその同級生から、自発的安楽死の申請の方法や実際にどのようにして安楽死するのかといった話を聞いて来ました。

叔父さんは、自分の命の最後は自分で決めたいと考えるタイプの人だそうです。叔父さんが望むなら、自分が申請の手伝いをすると夫は言っています。

ちなみに、自発的安楽死の申請は本人しか出来ませんし、厳しい条件がいろいろあって簡単ではありません。そして時間もかかります。

医療関係者は患者に自発的安楽死について話すことは禁じられているので、安楽死が可能であることを知らない終末期患者も多いそうです。


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