2023年9月5日

眼振で視界がぼやける

私ではありません。うちの夫です。

昨日仕事から帰って来て、左目がチラチラとふるえ続けるので視界がぼやけてものがよく見えないと言いました。

まぶたや目の下がピクピクすることがありますが、それとは違って眼球が細かくふるえているのだそうです。「ボクも歳をとって来てるなあ」と言うので、「あなたの場合は歳のせいではなくて病気と関係があるでしょう」と私は言いました。

このブログでも度々話題にしていますが、うちの夫は先天性の黄斑変性である「スターガルト病(Stargardt Disease)」という病気で、目が見えなくなって来ているんです。

視力の問題には随分前から気づいていましたけど、「スターガルト病」だと分かったのは7年ほど前のことです。ついに車の運転ができなくなってからもう2年以上になります。

眼底写真を見ると、網膜の黄斑周辺は細胞がすっかり死んで黒い斑点だらけになっています。これは半年前に撮ってもらって写真です。


放射線状の細い血管が集まっている大きな黒い丸は、視神経が集まって束になっている部分です。ここには光を感じる細胞が無いので「盲点」と呼ばれます。

その横に薄っすらと少し小さめの丸が見えます。周囲から黒い斑点に侵食されていますからもう丸ではないですけど、それが黄斑です。視界の中心になる部分です。

その黄斑の周辺の細胞が死んで、黒い斑点だらけになっています。死んでしまった細胞は、もう光すら感じません。

「スターガルト病」は、遺伝子の変異が原因でこのように細胞が徐々に死んで行くので、治療法は無いのですよ。

黒い斑点の間に細胞がまだ生き残っている部分があります。夫は、無意識のうちに、そのまだ生き残っている細胞を駆使して見ているんだそうです。

普通ならもう文字が読めなくなっていても不思議ではないんだそうですが、夫はまだ読めるんですよ。コンピューターのモニターにしても携帯電話にしても、視能訓練士の専門家も驚くほど文字が読めているんです。

しかし、生き残っている細胞が減るにつれて、眼球を動かすだけではなく、最近は頭もいろいろ動かして視界の中心を意図的にずらして、見えるところを探しながら見ているんだそうです。

そういうことを一日中ずっとやっているわけです。

眼球がふるえ始めたというのはどういうことなんでしょうか。「眼振」というやつですよ。状態がより悪い方の左目が震えていると言うんですけど。

私が回転性のめまいで倒れた時は、激しく横に揺れる眼振がありました。夫のは、それとはまた別のタイプです。チラチラと細かくふるえていると言うんですが、見てみると震えているようには見えませんでした。

どういうことなんですかねえ。

ふるえている状態が続くと、仕事に支障が出ると思います。ふるえていない右目で何とか見ているようですけど、右目もふるえ始めたら何も見えなくなりますよ。


ここ2〜3週間、ずっとうちの夫に腹が立っていた私ですが、なんだかもう気の毒すぎて、腹が立っていたことなどすっかり忘れました。

眼科医に相談に行った方が良いと思います。

夫は、毎日朝から晩まで見えるところを探すために目を動かし続けているわけですから、普通以上に酷使していると思います。それが眼振の原因になっているのかもしれません。

小さな文字を無理して読まなくてもいいように、早くツールショップに大きなモニターを導入した方が良いのかもしれませんし、もしかしたら今年3月の検査からかなり悪化したのかもしれません。

最近は薄暗い所ではものが見えないと言っていますし、やっぱり眼科医に相談に行くように言ってみます。

ただねえ、遺伝子の変異が原因で起きていることなので、出来ることは何も無いと言うんですから、検査をしてもらっても「確かに悪化していますね」で終わりの可能性が大きいです。

少しでも見やすくするための工夫が必要なんでしょう。

そろそろ、NDIS(National Disability Insurance Scheme)というオーストラリアの障害者保険制度への申請をした方が良いと思います。

NDISで障害者として認められると、仕事を続けるために必要な道具や機器の購入に補助金が出るそうですからね。ツールショップで使う大きなモニターを買うのも、全額自己負担せずに済むのですよ。

引っ越しのためにごみ屋敷状態のガレージを片付けなくてはいけませんし、家探しもしなくてはいけません。おまけに、腎臓の摘出が目前です。こういう時に目が悪化というのは大変でしょうけど、頑張るしか無いですよ。


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