オークションが行われたのは、かの有名なニューヨークのオークションハウス「クリスティーズ」です。
この話をご存じない方のためにちょっとだけ紹介しておきますと、この度クリスティーズの美術品オークション史上最高額の450ミリオンUSドルで落札されたのは、この絵。
(注意: 1ミリオンは100万だから、450ミリオンドルは4億5000万ドル!)
Salvator Mundi |
レオナルド・ダ・ヴィンチが1500年頃に描いたとされる絵で「Salvator Mundi」と呼ばれています。「Salvator Mundi」とは「Savior of the World」という意味で、「世界の救世主」すなわちイエス・キリストのことですね。
パレスティナの地に住んでいたユダヤ人であるはずのイエス・キリストを、もちろん白い肌のヨーロッパ人として描いていますね。しかも、ルネッサンスファッションに身を包んでいます。
レオナルドの「Salvator Mundi」は、多くの画家に模写されたりコピーされていたこともあって、存在そのものは長く知られていたそうですが、行方は分からなくなっていたそうです。
ニュースで聞いた話によると、かつてこの絵の所有者であった英国人の美術品コレクターの子孫は、1958年のオークションで、この絵をたったの45ポンド(約60ドル)で売っちゃったそうです。当時は、この絵がダヴィンチが描いた本物だと誰も知らなかったのです。
だってね、当時この絵はこんな有様。この古い白黒写真を見ると、誰かの手で補修されてレオナルドの絵ではなくなっていたことがわかります。誰もこれがレオナルドの絵だとは思わないわよ。
指を描き直した跡が発見されたため、「もしかしたら…」ということで洗浄され、上塗りを取り除いたら、隠れていたオリジナルの絵が見つかったのだそうですよ。
そして、その60ドルの絵は、本日450ミリオンドルで売れたわけです。
購入者が提示した値段は、400ミリオンUSドルだったんですよ。それにプレミアムや手数料などを加えた最終価格が450ミリオンUSドルになったそうです。
それはともかく…
450ミリオンUSドルは、豪ドルにすると今日のレートで592ミリオン豪ドル、日本円にすると500億円以上!
一枚の絵が!
ダヴィンチの絵だけど…。
落札した人は、この絵がどうしても欲しかったのだと思います。競争していた他の人達が、2ミリオンとか4ミリオンとかチマチマと上の値段を出していたのに比べて、ドカーンと一気に値段を上げて行きましたからね。
300ミリオン!
350ミリオン!
400ミリオン!
と、400ミリオンを出したところで、競争相手は「絶対に勝てない」と思ったはずです。ホントにそんな感じでした。
それにしても、世の中には一枚の絵にこれほどのお金を注ぎ込める人達がいるんだなあ。まあね、ダヴィンチの描いた絵を個人が所有できるチャンスはめったにあることではありませんから。
私は、ダヴィンチが描いたスケッチの本物を見たことがあるけど、鳥肌が立ちましたからね。この「Salvator Mundi」の購入者は、今どんなに興奮していることでしょう。
個人所有になっても、金庫にしまったりせず、ぜひ一般公開してもらいたいものです。
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