2016年9月13日

子育てとフェルジナンドのお話

「本を買うのを止めれば家が立つ」と揶揄される我が家の蔵書数は、今や誰にも分からないほどに膨れ上がっております。置き場所に困るので、子供用の絵本や児童書は義弟夫婦の一人娘ヴェドラちゃんに譲りました。

絶対に誰にも譲りたくないジブリ映画関係やヴェドラちゃんに譲ってもしようがない日本語の絵本や児童書以外は、全てヴェドラちゃんのライブラリーとなったんですが、嬉しいことにヴェドラちゃんは本が大好きな子に育っているようです。

私が子供達に日本語の本を読んでやりたかったのと同じように、ヴェドラちゃんのお母さん(スペイン人)はスペイン語の本を読んでやりたいのだけど、彼女は本のことは良くわからないようで、先日Facebookに「おすすめの絵本を教えて!」という投稿をしていました。

私は、教育関係の仕事を長くしていたせいもあって、良い絵本や児童書を結構たくさん知っております。それら多くの良書はすでにヴェドラちゃんのライブラリーにあるわけですが、スペインといえば「はなのすきなうし(The Story of Ferdinand)」です。

原作は英語なんですけど、スペインのある牧場で暮らす牡牛のフェルジナンドお話です。

このお話、うちの子供達はそれほど好きにはなりませんでした。でもね、母親の私にとっては大事な本なんです。子供を育てる上での指針となったと言っても過言ではないからです。

スペインの牛と聞けばまず誰もが闘牛を思い浮かべますけど、牛には勇ましく闘うことが望まれる社会において、子牛達は闘牛場で闘うことを夢見ていますから皆んな角を突き合って遊びます。

でもフェルジナンドは、闘牛場で闘うことには興味が無いんです。彼は小さい頃から花が好き。花の匂いをかいでいるのが好きなんです。

子供は友達を作って一緒に遊ぶのが良いと多くの人は考えますよね?

でもフェルジナンドは、一人でいるのが好きなんです。一人で花の匂いをかいでいるのが何よりも好きなのです。もちろんフェルジナンドのお母さんは心配するのですけどね。

そんなある日、闘牛を探しに牛買いたちがやってきて、偶然の出来事がフェルジナンドを闘牛場へと導きます。さあ、いよいよ闘牛士が現れました。フェルジナンドはどうなるのか…。

我々が生きているこの社会において、子供はこうあるべき、男の子はこうあるべき、女の子はこうあるべきといった概念が、子供たちに社会が望むあり方を押し付け、個性を摘み取ることになる場合があることを忘れてはいけません。

「子供を導く」ということが「親の期待するレールにのせる」ことであってもいけません。

うちには男の子と女の子が一人ずついます。二人を育てる上で「彼らの個性を尊重すること」を常に意識させてくれたのは、この本「はなのすきなうし(The Story of Ferdinand)」なのです。

ヴェドラちゃんのお母さんに、この本を読んでもらいたいと思いましたので、スペイン語版を購入いたしました。

El Cuento de Ferdinando

もちろんBook Depositoryで購入。日本語の書籍はほとんどありませんが、英語以外の書籍が増えてきて、言語によるフィルターもあって、本を探すのが大変楽になりました。

Book Depositoryは世界中送料無料です!

お帰りの前に1クリック を!



SaveSave

0 件のコメント:

コメントを投稿