オーストラリアでは、日本の高校3年生に当たる12年生は、通常10月に卒業式を迎えます。大学への進学を目指す者は10月中旬から11月にかけて試験が始まりますので、この試験期間の前に卒業式があるのが普通です。
ヴィクトリア州では、ほとんどのハイスクールで「ヴァレディレクトリー・ナイト(Valedictory Night)」などと呼ばれる卒業式ディナーパーティーがレセプションセンターやホテルなどで夜に行われます。
娘のサチが通うハイスクールでは、「ヴァレディレクトリー・ナイト」のドレスコードは「Dress To Impress」ということでして、「あら素敵」「なかなかやるじゃん」「おおカッコいいじゃん」という服装ですから、息子の時は皆さんセミフォーマルあるいはフォーマルにドレスアップしていました。息子もスーツにネクタイで(古着屋で買ったやつ)出席したんですよ。もちろん先生方もドレスアップされていました。
3コースのディナー付き、お酒も自分でバーカウンターで買って飲む、卒業証書授与と成績優秀者の表彰、感謝&告別スピーチ多数ということで、もう長時間座りっぱなし。しかも同テーブルの皆さんは息子の友人の両親達ではあったけど親しい人達ではないから話も弾まず、「ヴァレディレクトリー・ナイト」は長かったわ!(うちの夫なんか途中スマートフォンでゲームとかしていたくらい。)
それでも私はね、美しくドレスアップした娘とめったに見られないスーツ姿の夫とそのようなフォーマルな催し物に出席するのを実は楽しみにしていたんです。
そうしたら...
私、行かないから!
精神的にまだ不安定なところがある娘は、そのような場所に出席することは居心地が悪く不安であるから、行きたくないというのです。
セレモニー関係全般が退屈で嫌いな夫は「やれやれ行かずに済むぞ」と胸をなでおろし、私はがっかり。
「ヴァレディレクトリー・ナイト」の参加費は一人70ドルだったから、3人で210ドルプラス飲み物代の予定でした。娘は、その代わりに息子のカイも含めて家族4人でちゃんとした素敵なレストランで一緒に食事をしようと提案しました。まあ、それもいいかもしれません。
こういう卒業式ディナーパーティーといった催しも参加は自由というのがオーストラリア流です。娘のように出席しない生徒もいるわけですから、後日12年生全員出席の最後の学年集会(朝礼)があって、それが本当の卒業日になります。
オーストラリアでは、ハイスクールを卒業したばかりの子達をスクーリーズ(Schoolies)と呼びまして、彼らがクイーンズランドや海外のバリやタイなどへ卒業祝い旅行にでかけ、飲酒やパーティーで羽目をはずし、暴力事件や麻薬や過剰飲酒で死者が出たり犯罪に巻き込まれたりして、毎年この時期恒例のニュースとなるんですよ。
大学進学を目指す子達は、すぐに試験が始まりますからパーティーどころじゃありません。試験は各教科ごとに試験日も時間も異なります。ただし、素晴らしいのは試験会場が自分の通った学校であるというところ。
息子が外国語としての日本語の試験を受けた時、試験会場であった息子の通うハイスクールの体育館で受験したのは息子一人でした。息子の通った学校には日本語クラスがなかったので、息子は(娘も一緒に)毎週土曜日に各地で開かれるVSL(Victorian School of Languages)の日本語クラスに通ったのです。
とにかく、どの大学に入れるかが決まるこの試験を、慣れ親しんだ自分の学校で受けられるというのが良いですよ!娘のように不安発作の心配がある子にとって、これがどれほど大きな意味を持つことか。
すべての生徒が出来るだけ平等な環境で受験できるようにという配慮です。試験監督官が大勢必要だし、試験用紙の手配など、手間も時間も費用も余計にかかりますけど。
ちなみに、外国語の口頭試験は自分の学校でというわけにはいきません。地域ごとに試験場が指定されます。
まあとにかく、来週からは春休みだし、娘のハイスクール生活も残りわずかです。
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