2016年9月15日

オーストラリアの踏切は怖い

昨日の夕方、いつも利用する路線の踏切で事故がありました。

メルボルン発の急行電車が、サリーヒルズ(Surrey Hills)という駅の手前の踏切で遮断機の間に挟まれて身動きが取れなくなっていた車に衝突し、跳ね上げられた車は電車の下に巻き込まれて引きずられ、半分はプラットフォームと停車した電車の間に挟まれた状態になっていました。

急行電車はサリーヒルズ駅では止まらず通過するはずでしたから、時速80キロは出ていただろうということです。

この踏切の手前はカーブになっており、運転手が踏切を目視できるのは200メートルほど手前。車に気づいて急ブレーキをかけたとしても間に合わないのだそうです。

このカーブ直後の踏切は危険だということで、運転手の方々は電車の速度を規制する必要があると訴えていたのだそうです。

しかし事故は起きてしまいました。

オーストラリアの踏切というのは、実は日本人にとってはとても怖い場所なのですよ。

踏切の手前で停車して左右を確認するという規則がないのです。遮断機や信号が常に正しく機能しているという100%の信頼のもと、車は停車せずにそのまま通過しなくてはならないのです。私は、これがいまだに怖い。

車の流れが遅い時に、踏切にさしかかった途端あるいは踏切内にいる時に、赤信号が点滅し始めて「カンカンカンカン」と信号機の警告音が鳴り響いて遮断機が下り始めると、心臓が飛び出しそうになります。

昨日の事故は一体どういう状況で起きてしまったのかまだよく分かっていませんが、運転していたのも助手席に乗っていたのも70歳代の女性だったそうです。

目撃者の話によると、「カンカンカンカン」が始まった時には車はすでに踏切内に入っていたそうです。そして遮断機が下りてしまったために踏切から出られなくなりました。遮断機は道路の半分しかありませんから、開いている側(反対車線)から出られた可能性もあるのですが、運転していた女性はどうしたら良いのか分からず途方に暮れた様子だったそうです。

急停車できるはずもない急行電車は、高速のまま車に激突しました。運転手の方は経験豊富なベテランだったそうですが、大きなショックを受けているとのことです。

踏切事故は絶えません。電車の線路と道路が同じレベルで交差しないように、立体交差にする工事が進められていますが、時間も費用もかかります。また、工事が予定されていた危険踏切リストに事故のあったこの踏切は入っていなかったそうです。

事故が起きてからでは遅いのだけど、少なくとも昨日の事故がきっかけとなって新たな対策がとられることと思います。亡くなられたお二人の女性も、運転手の方も、本当にお気の毒です。

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