2016年8月22日

人種差別の国「オーストラリア」

オーストラリアという国は、人種差別の国として有名なんだそうです。

ヨーロッパ人がオーストラリア大陸を発見して植民地化し始めた後、アボリジニと呼ばれるオーストラリア先住民を大虐殺しました。入植の邪魔になるアボリジニを殺すというだけでなく、スポーツハンティングとして娯楽としても殺していました。

白豪主義と呼ばれる白人最優先主義とそれに基づく非白人への排除政策は、なんと1975年まで続いていました。法律的に人種差別を禁止し、多文化主義を国策として掲げるようになってからも、アボリジニや非白人への差別はもちろん続きました。今でも白人至上主義的な人種差別意識は、はっきりと残っていると言えます。

オーストラリアで暮らすようになって20年以上になる私ですが、これまでに何度も差別を経験しています。そのために外出が億劫になったりしたこともあるし、一時期「うつ」で些細な事にも敏感になっていた頃は、買い物に行って白人オーストラリア人とやり取りするのが怖かった頃もあります。

オーストラリアにやって来た最初の年、旅行先で知り合った中国系マレーシア人の女性が私に言った言葉は今でも覚えています。

「馬鹿にされないように、いつでもちゃんとした身なりをしていなさい。」

きちんとメイクをし、良い服を着て、堂々としていれば、ひどい扱いをされることは減るはずだと、白人オーストラリア人と結婚して2人の子供がいたその女性は言ったのです。

彼女の言葉は正しかったですよ。

明らかに劣った人間として低く見られ、差別的に扱われた経験は、少なくとも5回あります。ヴィクトリア州の田舎の町のパン屋で無視されたり、マイヤーというメルボルン内のデパートで中年女性店員に不当な扱いを受けたりしました。最近では、スポットライトという店に手芸用品を買いに行った時に、非常に馬鹿にしたような態度で対応されたんですが、私が英語を話せることが分かるとその中年女性店員の態度は少し丁寧になりました。

国の政策が多文化主義に変わってから、学校の同じクラスに様々な人種の子供がいるような環境で、異なる文化や人種を尊重することの大切さを教育された若い世代は、比較的マシな気がします。

それでも、この国には確かに、アジア人やアフリカ人や特にアボリジニに対する差別意識が残っています。そういう差別意識というのは、興奮したり感情が高ぶった時に思わずでてしまうらしく、オーストラリアン・フットボールの試合などで口汚く罵ったり差別的な言葉を叫んだりする人がよくいます。昨日もまたニュースになりました。

ニュースになったのは、誰かがその問題の場面をビデオに撮っていたからで、証拠があったからニュースになったわけですけど、こういうのは全く珍しいことではないらしいです。ほんとうに残念なことですけど…。

昨日のニュースは、白人女性が応援するチームの対戦相手チームの選手(アボリジニの選手)に「サル」と叫んだりバナナを投げつけたりしたという問題でした。

馬鹿にされないように、きちんとメイクをし、良い服を着て出かけるようにしていますし、最近は自分が差別的な扱いを受けることはほとんどないのですけど、差別的な扱いを受ける人を見かけることはありますよ。もう少し度胸があったらその場で注意してやるんだけどな…。

差別を受けた経験のない日本人が外国で初めて差別を受けてトラウマになるということがあります。

人種差別にかぎらず、差別というのは存在するのです。頑張りましょう。

お帰りの前に1クリック を!



0 件のコメント:

コメントを投稿