2016年8月3日

物事は考え方次第

かつてうちの娘のサチが幼い頃、毎度の食事時にお母さんはヒヤヒヤし通しでした。娘は必ず何かをこぼすのだから。ご飯やおかずをこぼすのはもちろんのこと、ミルクや水などの飲み物をこぼすから要注意だったのです。

「ほら、こぼれるよ!」
「ああっ肘があたるよ!」
「サチ、そこにお水があるの分かってるの!」

そんなある日、私の妹が言いました。「ねえちゃん、ヤイヤイ言いすぎ!」

だってねえ、注意喚起しないとサチは絶対こぼすのよ。しかし、注意喚起してもこぼすのだから、ヤイヤイ言うのを我慢するようにしたんです。一生こぼし続けることはなかろうと。

そして、娘が小学校1年生のある日のこと。当時は日本に住んでいたのだけど、ついに晩ご飯で娘が何もこぼさなかった。

「今晩は、サチが何もこぼさなかったねえ!」

6歳のサチは、喜ぶお母さんに冷たい視線を向けたのでした。

さて、サチに関してついヤイヤイ言ってしまうことがもう一つありました。(一つどころじゃなくていろいろあったけど、現在も続く問題の一つがこれ。)

サチの洗濯物は、ズボンにしろブラウスにしろ片側だけが裏表になっているのです。大したことではないと思う貴方は、毎日洗濯物を干す必要がない人でしょう。毎日毎日、洗濯物を干す時にこの片方だけ裏表になっている衣類にかかる一手間が、イライラを引き起こすのだよ。

「チッ、まったくぅ!」
「サチめ、一体どういう脱ぎ方をしてるのよ!」

何度も同じ注意を繰り返すと、ティーンエイジの娘のご機嫌を著しく損ねはするものの、娘が「これからは気をつけます」という素直な態度を見せることはありません。

そこで、ヤイヤイ言うのをやめて一体いつまでこの「片側だけ裏表」が続くのかを楽しむことにしたの。

最後に注意したのは夏休み頃だったから、かれこれ少なくとも7ヶ月もこの「片側だけ裏表」は続いております。

こういうことをお母さんが密かに楽しんでいるとは知らないでありましょう。洗濯に出ていた娘のブラウスと長袖Tシャツは、今日もしっかりと「片側だけ裏表」であった。連続記録はいつまで続くか!

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2 件のコメント:

  1. 優しいですねぇ。
    我が家では「そういう希望」と受け止め、そのままの形で干してやります。

    丸まった靴下もそのままに。

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    1. それができたらどんなに楽か…。そういう状態で干してある洗濯物に耐えられないの。これはですね、私のある意味強迫神経症的な性質にもよるんだろうと思いますが。

      「丸まった靴下」といえば、今気づいたけど、最近丸まったのが出てこないなあ。うちの子供たちも靴下の脱ぎ方は身につけたようだな。

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