2025年12月3日

雨が見えなかったらしい

メルボルンは夏です。夏時間で時計の針を1時間進めていますから、朝の6時は本来なら5時なんですが、夏ですから5時でも真っ暗ではありません。

昨日の朝は雨が降っていて、いつもよりも薄暗かったです。

うちの夫は、6時半頃に家を出ました。家を出る時には、忘れ物をしないように「財布、メガネ、携帯、鍵」という決まり文句を私は言うんですが、昨日は言いませんでした。

玄関を出て数秒経ってから夫が帰って来ましたので、「何か忘れたな。今朝は決まり文句を言わなかったからな」と思いました。そうしたら、別に何も忘れてはいなかったんですよ。

ただ、雨が降っているから傘が必要だということに気づいて戻って来たのでした。

窓の外を見れば、私には雨が降っていることは一目瞭然でした。地面が濡れているし、降っている雨粒が見えますからね。玄関を開けて外を見れば、雨が降っていることは見えるはずですけど、夫には見えなかったのですよ。

歩き始めて雨に濡れてから、雨が降っていて傘が必要だということに気づいたわけです。夫の目は確実に見えなくなって来ているんだなと気づいた出来事でした。


度々話題にしていますが、遺伝性の黄斑変性「スターガルト病」で、網膜の中心である黄斑周辺の視細胞が徐々に死んでいるのです。進行につれて視野の中心が見えなくなっているわけですが、まだ細胞が生き残っている部分がありますから、全く見えないわけではありません。

明暗の差や色彩の対比が大きければ見えやすいようで、白い背景に書かれた黒い文字なら、かなり小さな文字でも読めるんですよ。でも、見ようとする物と背景の色が似ていると見えません。

キッチンのクリーム色のワークトップにこぼしたお米が見えなかったり、赤いプラスチック容器に入ったニンジンが見えなかったり、白いお皿に付いたチーズが見えなかったりします。

薄暗い場所では、何を見るにも苦労しています。

人の顔はまだ分かるそうです。お店のスタッフや知り合いのお客さんは、ちゃんと認識出来るそうですし、まだ文字も読めるんですから、仕事はもう少し続けられると思いますけど。

来月は、また目の検査に行かなくてはいけません。一年でどの程度進行したかが分かると、あとどのくらい仕事が続けられるかも見当がつきます。


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