2021年12月28日

国民的TVドラマとイラン

先日、友人のエクリーさん夫婦が主催する毎年恒例のクリスマス・イブ・イブ・パーティーで知り合ったイラン人のSさん。奥さんもイラン人ですが、大変楽しい方達でした。Sさんはナザレ人の血も受けついでいるそうです。ナザレって、イエス・キリストの出身地ですよ。

産業エンジニアのSさんは、現在メルボルンの地下鉄プロジェクトに携わっているそうですが、鉄道の仕事をする前はプジョーという自動車の会社に勤めていたそうなんです。

ですからね、トヨタの技術や経営理論を学んでおられますし、日本の鉄道に関心をお持ちで、日本文化にも強い関心をお持ちなんです。

おしゃべりをしていて日本のTVドラマの話題になりましてね。

「私はテレビを見ないんです」とお答えしたので、普通なら会話はそこで終わっちゃうところですけど、Sさんは「From the Northern Country」という日本のTVドラマがとにかく大好きで、そのドラマがどんなに素晴らしいかという話を始めました。

そのドラマを私も見たかとお聞きになるんですけど、私は「From the Northern Country」というドラマは知らないと答えて話題を変えようとしたんです。

そうしたら、Sさんはスマートフォンを取り出して、そのTVドラマのことをグーグル検索し始めました。

このドラマに出演している俳優がとにかく素晴らしいのだとおっしゃるんですよ。このドラマを見たことがないのならぜひ見るべきだともおっしゃっいました。

そして、私に見せてくださった画像は、かの有名な国民的TVドラマ「北の国から」の一場面だったのです。Sさんが大ファンになった素晴らしい俳優というのは、田中邦衛さんだったのですよ。

「北の国から」は知っていますよ!

田中邦衛さん演じる五郎とまだ子供の純と蛍の画像を見た瞬間、私にはさだまさしさんの「ああーあああああーあ」が聞こえました。

全てのエピソードを見たわけではないんです。ドラマが放送された当時大学生で、テレビがなかったですから見ることはできなかったはずです。実家で少し見た記憶があるだけです。

純と蛍が成長してからのドラマスペシャルはほとんど見ていません。

このドラマのことはもちろん知っていますが、あの黒板家の家族がその後どのような人生を生きたのか、私は知りませんでした。

そこで、インターネットであらすじを読んでみたんです。おかげで、ここ数日「北の国から」が頭から離れません。

2002年のドラマスペシャル「遺言」というのが最後なんだそうですね。そして主演の田中邦衛さんが、今年お亡くなりになったというのも初めて知りました。

最後のドラマ「遺言」では、田中邦衛さん演じる五郎が遺言書を書くのだそうですけど、子供達に残すものが「物」ではなかったというのが納得です。自然と共に慎ましく謙虚に生きて、そのことに幸せを見出すことができる、そういう価値観を持った「生き方」、すなわち五郎がずっと純と蛍に見せてきた生き方が、子供達に残したいものだったということなんですけど。

このドラマがイランで放送されて、人気を博したということなんです。

NHKの連続テレビ小説「おしん」がイランで爆発的な人気となり、最高視聴率が90%を超えたというニュースをどこかで読んだことがありますけど、「北の国から」や「おしん」に共通する「苦労しながら一生懸命に生きる人々」とか「家族の絆と愛情」とか、こういうのは文化が違っても普遍性があるのでしょうね。

それにしても視聴率が90%を超えるというのは、ほぼ国民全員が見たということじゃあないですか?イランの人々が日本のドラマに夢中になっている様子を想像するのは容易ではありません。

Sさんご夫婦の話を聞くと、イランという国は最もイスラム的ではないイスラムの国なのだそうですよ。イメージ的には、最も戒律の厳しいイスラムの国の一つという感じですけどね。

普通のイラン人は、温かくて人懐こくて楽しい人達なんだそうです。「イスラム教徒だから本当はお酒は飲んじゃあいけないのに、家では皆んな飲んでるし」とか言っていましたけど、本当に?

イランという国やイラン人のことは、ニュースで見聞きすること以外に情報がないので、私は偏った印象を持っているようです。

イランの人々の普通の暮らしを垣間見れるイラン映画があれば見てみたいものです。


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