2026年1月4日

スターガルト病について

うちの夫が遺伝性の黄斑変性「スターガルト病」(Stargardt Disease)で目が見えなくなって来ていることを度々このブログで話題にしていますが、今日はその「スターガルト病」について少し説明したいと思います。

このブログを継続して読んでくださっている方は、もうご存知だと思いますが、黄斑変性(Macular Degeneration)という病気は珍しい病気ではないんですよ。

網膜の神細胞が高密度で集まっている黄斑と呼ばれる部分が加齢に伴って障害される「加齢黄斑変性」は、高齢者の失明原因の一つです。日本の推定患者数は、70万人くらいだそうです。加齢による黄斑変性は、種類によっては治療法があるんです。

網膜の黄斑部は、いわゆる「見えるもの」の詳細を知覚する部分で、見ようとしているものの像が結ぶところです。視野の中心になります。この部分が障害されると、ものが歪んで見えたり、ぼやけて見えたり、色の見え方がおかしくなったりします。暗い場所では見えにくくなり、障害が進んで光すら感知しなくなれば、視野の中心部分が黒く欠損します。

これと同様の障害が、年齢や生活習慣とは関係なく、遺伝子の異常によって起きるのが「スターガルト病」です。若いうちから、場合によっては子供の頃から発症します。患者数の少ない稀な病気です。

うちの夫は、40歳を過ぎて老眼鏡が必要になった時の検査で網膜にシミのようなものがあると言われ、精密検査を受けたら黄斑変性の始まりだと分かりました。

夫の病気は、簡単に言えば黄斑部の視細胞が徐々に死んで行く病気です。遺伝子によって起きるので、治療法はありません。病気が分かった時、専門医の方には「出来ることは見えなくなる将来に備えることだけだ」と言われました。

進行が遅いことを祈りましたが、診断から5年ほどで症状が現れました。最初に気づいたのは、ものが歪んで見えることだったそうです。視力検査の結果、車の運転に適正な視力が無いことが分かりましたので、運転が出来なくなりました。

毎年、検査を受ける度に眼底の写真を撮ってもらっています。視細胞が死んでしまった部分が黒い斑点のように見えます。写真を比べると病気がどのような進行して来たかが分かります。最初は小さなシミがいくつかあっただけだった黄斑部が、昨年撮った写真では黒い斑点に覆われていました。

夫の視野の中心部は、すでにほとんど何も見えなくなっていて黒っぽくなっているそうです。


例えば、上の写真の犬の顔を見ようとした場合は、下のように見えるわけです。実際には、視野の中心部が黒くなっているだけでなく、歪んでいたりぼやけたりしているそうですけど。


こういう状態なのにまだ文字が読めるのは、黒い部分の中に、まだ見える部分が所々に残っているからだそうです。焦点を合わせる位置を変えて視野をずらし、その見える部分を探しながら見ているのです。


そのまだ見える部分は徐々に失われています。視野の中心の黒い部分は、これから次第に大きくなって行くわけですが、外側はぼんやりとしか見えませんが見えますのでね、失明とは言っても真っ暗闇になってしまうわけではないのです。

自分でやってみると分かりますよ。今見ている視野の中心部を何かで隠してみてください。見ようとするものは見えなくても、視野の外側は見えますから、焦点を合わせる位置を変えると見たいと思うものが見えます。ぼんやりとですけどね。

ただし、ぼんやりとしか見えない視野の外側で文字を読むことは困難であることも、分かると思います。

そして、見たいものを視野の外側で見ようと目をあっちやこっちに動かし続けるのは、とても疲れることなんだそうですよ。

夫の母親が同じ病気なので、夫が将来どういう状況になるかは想像出来ます。夫の母は、何がどこにあるかをよく知っている自分の家の中なら、不自由なく歩き回っていますが、慣れない場所では誰かの介助が必要です。

母親には、目がよく見える運転の上手なパートナーがいますから移動には困っていませんが、うちの夫のパートナーは、めまいの問題がある運転が苦手な私ですからね、私達夫婦はこれから苦労するだろうと覚悟しています。

夫が最初に気がついた黄斑変性の症状は、ものが歪んで見えることでしたが、これまでに様々な見え方の異常を経験して来ました。部屋の中に煙が充満しているように見えると言ったこともありましし、薄暗い夕方になると足元が見えないとか、ブルーベリーアイスをチョコレートかと言ったり、色の見え方がおかしくなりました。

加齢に伴って起きる黄斑変性なら、種類によっては治療法があります。進行を遅らせることが出来ますので、ものが歪んで見えるといった見え方の異常がある方は、早めに診察を受けることをおすすめします。


お帰りの前に1クリックを!



0 件のコメント:

コメントを投稿