2022年11月6日

映画と音楽と睡眠問題

ここ数日頭から離れないものがあります。

YouTubeという動画共有サイトでは、過去に視聴した動画の内容をもとに「オススメの動画」なるものが表示されますけど、その一つが映画「シンドラーのリスト」のテーマ音楽を世界的に有名なヴァイオリニストのイツァーク・パールマンが演奏する動画でした。

偉大な映画音楽というのは数多いです。映画を見ていなくても聞くだけで感動するような映画音楽もたくさんありますが、私は以前にこの「シンドラーのリスト」のテーマ曲を聞いてそんなに素晴らしいとは思わなかったんです。

以前に聴いた演奏は、イツァーク・パールマンの演奏ではなかったですが。

イツァーク・パールマンの演奏の動画では、冒頭にパールマンがこの映画の主題が自分にとっては非常に重要なことだったと語る場面があります。

彼の奏でる音は心を揺さぶります。

物悲しく美しい曲です。

でも、何故これほどこの曲が有名なのか、作曲したジョン・ウィリアムスはアカデミー賞を受賞しましたけど、それほど感動的だとは私は思えなかったんです。

映画は観ていません。「シンドラーのリスト」は、観たくないと避けてきた映画の一つです。

今更私がここでこの映画について説明をする必要もないと思いますけど、ホロコーストをまるでドキュメンタリー映画のような生々しさで描いた映画ですから、観たくないのです。

ホロコーストのことについては、これまで様々な本を読んだり本物のドキュメンタリーを観たりして、十分理解しているつもりです。

ただ、この映画が描いているオスカー・シンドラーのことは詳しく知りませんでしたので、少し調べてみました。

この映画の原作となった小説「Schindler's Ark」(シンドラーの箱舟)がオーストラリア人の小説家トマス・キニーリーが書いたものだというのは知っていましたが、キニーリーがこれを書くに至る経緯を初めて知りました。

シンドラーに命を救われたユダヤ人の一人のPoldek Pfefferbergという方が、シンドラーのことを人々に知ってもらいたいという思いから長年に渡り小説家や映画製作者たちに働きかけておられたそうなんですね。

オスカー・シンドラーが広く知られるようになったのは、この小説と映画のおかげなんですけど、詳しいことを長々とここに書くことは控えます。

映画を観る気持ちにはならないのですけど、背景の物語を知った上で映画のいくつかの場面を見ました。そして、ナチスが無条件降伏をした後にシンドラーが彼が護ってきたユダヤ人達と分かれる場面を観てもう涙腺崩壊です。

ユダヤ人達が金歯を溶かして作った指輪を贈られるんですけど、この場面で描かれていることは事実なんですよ。

このシーンでパールマンが演奏するテーマ曲が流れています。

この場面を見た後では、 映画がもたらす様々な感情とこの曲とが強く結びついて、最初に聴いた時とはまったく別レベルのものになっています。


この音楽がですね、ここ数日頭から離れなくて、そして映画の場面が頭から離れなくて、なかなか寝付けないほどなのですよ。

映画は全編3時間もあるそうですが、もしも観たら睡眠問題が悪化しそうでもありますし、メンタルが不安定になりそうな気もしますし、なかなか観る気持ちにはなりませんけど。

Poldek Pfefferbergさんが願った通りに、この映画のおかげでオスカー・シンドラーは永遠に歴史に記憶される人になりました。そして、この映画も音楽もパールマンの演奏も、歴史に残るものであることは明らかです。


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