2016年3月14日

ごみ屋敷と強迫性障害

ゴミ屋敷とは何であるかについて、ここで説明する必要はないでしょう。また、ゴミ屋敷を作ってしまう人は、強迫性障害(OCD)の一つである「強迫的ホーディング」という精神障害を持っている場合が多いということも、少しずつ知られるようになってきています。

ゴミ屋敷を作ってしまう人のことを英語では通常「ホーダー Hoarder」と呼びますが、Wikipediaを参照するとこのように書かれておりました。
強迫的ホーディング(Compulsive hoarding)、ホーディング障害(hoarding disorder)とは、居住空間において大量の物品を度を越して収集することを止められず、それにより著しい苦痛・不全を起こしているという行動パターンである。強迫的ホーディングは、健康リスク、機能不全、経済的問題、友人家族とのトラブルなどに関連づけられている。 臨床的に著しい機能不全を起こしている場合、ホーディングは調理、清掃、屋内移動、睡眠などの活動を制限するほど、空間が通常使用できないほどのものになりえる。そのためホーディングは自分や他者にとって、火事、崩壊、不衛生、その他の健康問題を起こすリスクになりえる。強迫的ホーディング者は、自分の理不尽な行動は気になっているが、しかし収集物への感情的な移入により物を捨てることができないでいる。
「集めてしまう」というのに加え「捨てられない」が加われば、そりゃゴミ屋敷化は避けられませんよね。これに「片付けられない」が加わると目も当てられませんよ。でも、この障害は様々な理由から絶対に改善が必要なんです。

うちの夫は「ホーダー」の気があります。今住んでいる家には、車が3台は軽く入るほど巨大なガレージがあるのですが、これがもうゴミ屋敷化しています。道具や材料を買い続けるのはもちろんのこと、知人から物をもらい続けるんですよ。夫は、以前はロータリークラブ、現在はライオンズクラブに所属してコミュニティー奉仕活動に熱心なのですが、これらのクラブのメンバーは高齢男性がほとんどでして、高齢ということもあってよくメンバーの方が亡くなられます。あるいは、メンバーの方たちが小さな家あるいは高齢者用の家に引っ越すということがあります。

そうした時に、大量の不用品を処分する必要が出るわけです。例えば、なくなった方の衣類とか、ガレージにたまっていた古い道具や資材木材電球金具類いろいろ。

夫はですねえ、そういうのをもらってくるんですよ。「捨てるのはもったいない」と思ってしまうんです。あるいは「自分がeBayで売ろう」とか思うこともあるらしいし、「処分したいと思っている方のためにとりあえず自分が引き取ってあげよう」とか親切心が湧き出ちゃうんですね。

そうしたものが、塵も積もればなんとやらで、少しずつたまり続けた結果がゴミ屋敷!

以前は私が処分してあげたり片付けてあげたりしていましたけど、もうそんな「焼け石に水」のような手伝いをするのはやめました。

時々、レンチやハンマーなど道具が必要になってガレージに足を踏み入れることがありますが、歩くのにも一苦労ですよ。

家の中は、私が家族3人に「あれを片付けろ」「これを捨てろ」「ソファに脱いだままの汚れたソックスがあるぞ」「今日は大掃除をするから捨てられたくないものは整理しておけ」と、ストレスに泡を吹きかけながら叱咤激励指示指導を続けてなんとかゴミ屋敷化を逃れていますけど、私が病気などで休むとあら不思議(では全然ありません)、家の中は一体どうやったらこうなるのっていうくらいにあっという間に大散らかりです。

まあね、私以外の3人は、ゴミ屋敷化した家の中でも平気で住める人達かもしれませんけど。

夫は「ホーダー」気質ありで、集めるし捨てられないし片付けられないから散らかる。息子は怠惰で片付け掃除をしないから散らかる汚れる臭くなる。娘は、3人の内では一番まともだけど、現在の彼女の優先順位のトップ10に「片付け」が入っていないから散らかる。

もちろん3人は掃除などというものに興味の欠片もございません。ホコリが1センチ位積もり溜まった部屋で平気で暮らします。

こんなはずではなかったのに。何故、息子や娘は私に似ずに夫に似たのよ?

ま、言っときますけど、うちの3人は強迫性障害を抱えているわけじゃありません!と思います。「ホーダー」気質の夫だって、時々ガレージを片付けようとしているらしい時がありますし。「千里の道も一歩から」少しずつ捨てていればいつかは片付くさ。(私としては一気に捨ててもらいたいんですけど。)

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