姿は見なかったけど、女性がテントの中にいることは確かだったと言っていました。
夕方近くに私が通った時にはテントは無かったので、どこかに移動したんでしょうけど、昨日は気温が下がって午後遅くには冷たい雨も降りましたから、テント暮らしは大変でしょう。
ホームレス状態の人は増えていると聞きます。賃貸住宅の家賃が値上がりしていますからね、フルタイムで働いていても家賃が払えなくなったり、家賃を払うために食べて行けなくなったりする人も少なくないそうです。
私達家族もホームレスになりかけたことがあるから、つらさは身に染みて分かるんです。家賃が払えないとか光熱費が払えないというのは大変なストレスなんですが、私達は食べ物を買うお金もなくなった時期があるんです。
クレジットカードも使えなくなって、銀行の口座もすっからかんで、財布には1ドルもなくて、子供達に食べさせられるものが米とジャガイモしか無いという日がありました。
あの時、うちの夫はオーストラリア大陸横断自転車旅行のスタッフとして雇われて旅行中でした。良い経験にはなったでしょうけど、家にいてなんとか生活費を稼いで欲しかったですけどね。
子供達のために肉じゃがならぬジャガイモだけの「ジャガジャガ」を作って、それをおかずにご飯を食べさせた日のことは一生忘れませんよ。
その翌日、私の本が売れて食べ物を買うことが出来ました。窮状を知った夫が義母(夫の母親)に援助を頼んでくれて、私も仕事を見つけることが出来たので暮らしはマシになりましたが、ホームレスになりかけたのはそれからしばらく経ってからです。
うちの夫がうつ状態で毎日寝るばかりになって、私は腰痛を理由に仕事を突然クビになって収入が絶たれ、どうにも暮らしていけなくなりました。あの時、ドバイ在住の義妹からの経済援助がなかったら、どうなっていたか分かりません。
その頃、うちの息子と娘はハイスクールで多感な年齢でした。家の中が不安とストレスに満ちていましたからね、子供達のメンタルヘルスにも影響したのです。
最も困窮して苦しかった頃、私は夫を説得してセンターリンクに相談に行きました。センターリンクというのは、オーストラリア政府が運営する福祉機関で、経済的に困っている人を助けてくれるんです。
センターリンクについてはいろいろ悪評を聞いていたんですが、スタッフの方に大変親切に対応してもらい、私はセンターリンクの事務所で涙を流しましたよ。
相談に行った日の翌日には生活保護費が振り込まれていました。家族4人が生活していけるほどの額ではありませんでしたが、それに救われたことは確かです。
そして、私達が困っていることを知った友人達が食べ物を届けてくれたことも忘れられません。お肉を持って来てくれた人、自分の庭で採れたものだからと言ってオレンジを持って来てくれた人、野菜を袋いっぱい買って来てくれた人。
これまで苦労続きだったけど、なんとかやって来れたのは家族や友人やセンターリンクからの助けがあったからだと思います。あのアフリカ人の女性が誰かの助けを得て、なんとか今の苦境を脱して欲しいと願います。
もしもどこかで出会って、まだテント暮らしをしていたら教えてあげようと思って、相談窓口や援助団体の連絡先を紙に書いておきました。
私達家族は、今も経済的にゆとりがあるわけじゃあないですけど、困っている人達のために出来ることはあります。
時々買い物に行くスーパーの出口には食品の寄付ボックスがあるんですけど、買った物の中から何か一つそのボックスに入れることくらいは私にも出来ますよ。先日は、その寄付ボックスに生理用品を入れている人を見かけましたけど、あれは素晴らしい考えだと感心しました。

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