「道路脇にテントを張っている人がいた!墨のように真っ黒の顔の女の人だった!」
オーストラリアの住宅地では、道路と住宅の間には歩道と「ネイチャー・ストリップ」(Nature Strip)と呼ばれる芝生帯が整備されています。芝生帯には一定の間隔で木が植えてあるんですけど。
この芝生帯にテントを張っている人がいたというのですよ。そして、その人は肌が真っ黒のアフリカ系の女性で、近所の家々をノックして回っていたと言うのです。
私は、近所のショッピングスクエアまで毎日のように歩いて買い物に行きますが、最近何度かアフリカ系の女性を見かけました。墨のように真っ黒の肌の女性で、大きなバッグを持っていました。
この辺りではアフリカ系の人を見かけることは滅多に無いので、珍しいと思ったんです。夫が道路にテントを張っていたと言う女性と同じ人だと思いました。
そうしたら、うちの息子が「その人はショッピングスクエアの横の公園に住んでいると思うよ!」と言いました。
息子は来月の旅行に備えて運動のためにウォーキングをしているんですが、ショッピングスクエアの隣りにある自然保護公園に行く度に、その女性を見かけるんだそうです。テントの位置はいつも違うそうです。墨のように真っ黒の肌の女性だそうですから、同じ人だと思います。
おそらく、息子が言うように自然保護公園に住んでいるんでしょうけど、どういう事情があるんでしょうか。何故昨日は道路脇にテントを張ったんでしょうか。人目につく場所だと危険だと思いますけど。
「近所の家々を回っていたのは、食べ物をもらうためでしょうね」と私が言うと、「晩ご飯を分けてあげる?」と夫が言いました。昨夜の晩ご飯は醤油味の餅団子入り具沢山スープでしたが、夫は冗談で言っているようには見えませんでしたよ。
「近所のインド人のお寺が無料で食べ物を提供しているよ」
「じゃあそれを教えてあげたら」
「センターリンクに行くように教えてあげた方がいいかも」
センターリンクというのは、オーストラリア政府が運営する福祉機関で、経済的に困っている人を助けてくれます。その女性はおそらく移民だと思いますけど、家庭内暴力とか何か事情があって家を出て、一人でホームレスになっているとしたら、そうした問題に対応してくれる場所を紹介してくれるはずです。
食べ物なら、インド人のお寺だけでなく、キリスト教の団体が運営している無料の食事を提供するサービスもありますけど、場所を知らなかったらどうにもなりません。
メルボルンには、ホームレスになるほど暮らしに困っている人が相談できる電話相談窓口がいくつもあります。命が危険な状況なら緊急通報番号の「000」に電話をすればいいんですけど、あの女性はそういうのを知っているんでしょうか。
携帯電話を持っていなかったら電話も出来ませんね。公衆電話がどこにあるのか私は知りません。駅にはあると思いますけど。
ずっと気になって、夜中に目が覚めた時にもその女性のことを考えました。今度見かけたら話しかけてみようと思いますけど、そのためには準備をしておかないといけません。相談窓口の電話番号を教えてあげられるように調べておかないと。
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