2025年9月14日

「リザルト」って何だそれ!

東京2025世界陸上が始まりましたね。

私は基本的にスポーツの観戦が好きなので、世界陸上も毎回楽しみにしています。こういう世界的な大会では歴史に残るようなドラマが生まれますしね。今回は開催地が東京でメルボルンとの時差が1時間ですから、ライブで観ることも出来ます。

大会1日目に行われた競技の結果を知ろうと思って、2025年東京大会の公式ウェブサイトを見ました。

そして、ウェブサイトのメニューを見ながら6秒くらい迷ったのですよ。「結果」というページを探していましたからね、それが見つからなかったので「あれ?」と思ったんです。

再度よくメニューの項目を見ると、

何だそれ!

ウェブサイトのメニューには「速報、ニュース、タイムテーブル、…」と項目が並んでいましたが、そこに「リザルト」というのがあったんです。英語で「結果」を意味する「Result」のことでしょ?


「リザルト」をクリックしますと、競技の結果のページが表示されました。

ページの見出しは「最新のリザルト」です。メダルを獲得した1位から3位までの選手が紹介されていて、その横に「すべてのリザルト」と書いてあるんですよ。

なんで「結果」と書かないの?

「すべてのリザルト」をクリックしますとね、結果の概要が表示されますが、見出しは「サマリー」です。「サマリー」とは、英語で「概要」という意味の「Summary」のことですね。

翻訳者は適切な訳語が思いつかなかったのか、英語をそのままカタカナにしたようですけど、これはちょっと翻訳をした人の日本語力が残念過ぎる!

もしかしたら人工知能(AI)を使ったのかもしれませんけど、人工知能は「Result」を「結果」と訳す能力はありますよ。

私も経験があるから分かるんですが、多言語ウェブサイトの翻訳には難しい面があるんです。オリジナルのウェブサイトに使用されている言語の言葉を他の言語に訳してデータベース化し、利用者がウェブサイトの言語を選択すると自動的に言葉を置き換えて表示するもんですから、句を組み合わせて文章にする時などは、日本語にすると文法の違いからヘンテコなことになったりするんです。

でもね、メニューの項目とかページの見出しなら、ただの単語ですから難しいことはないと思うんですよ。「リザルト」は「結果」で良かったでしょう?「すべてのリザルト」とか「最新のリザルト」とか「公式リザルト」なんていうのは、日本語じゃあないですよ。

「サマリー」も「結果概要」、あるいは単に「結果」で済むと思います。「概要」と「詳細」を区別する必要があるならそう書けばいいんです。「サマリー」じゃあ通じませんよ。

ちなみに、メニュー項目には「タイムテーブル」というのもありますけど、これも「時刻表」とか「予定表」という意味の「Timetable」をカタカナにしただけですね。「競技日程」とか「スケジュール」の方がいいんじゃあないですか?

「午前セッション」とか「夜セッション」というのも変ですよ。「午前の競技」とか「夜間の競技」とか、別の訳し方も出来たでしょうに。

「ナショナルレコード」は「国内新記録」の方が分かりやすいし、「フラッグの掲揚」は「大会旗の掲揚」とするべきだし、「アスリートセンタード」は「選手を中心に」と訳せるのに。

書き出すときりがないほど、このウェブサイトは英語をそのままカタカナにした単語でいっぱいです。


近頃は、外国語の単語をそのままカタカナにしただけっていう翻訳をよく目にします。元の単語に相当する単語が日本語に無いこともありますが、意味することが伝わる言葉を選ぶか、説明的な句にすることも出来ます。

カタカナにするかしか無い場合もありますけど、安易にカタカナにしている翻訳が多過ぎると感じます。海外のニュースを日本語に訳したものを読んでいると、日本語力がある人間が訳したものではないと分かる文章によく出くわしますよ。

翻訳を仕事にする人も人工知能(AI)を使っていると思いますが、人工知能による翻訳は進歩していますけど、外国語を日本語に訳すのは最新の技術を使ってもまだまだ難しいです。

まあとにかく、東京2025世界陸上のウェブサイトの「リザルト」にはびっくりしましたよ。


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