2025年1月10日

心から信頼できる真の友人

うちの夫が勤めるツールショップの同僚Cさんは、今の夫にとって最も親しい友人と呼べる人だそうです。

Cさんは「末日聖徒イエス・キリスト教会」の信者です。「モルモン教」と通称されている教会です。一方うちの夫はエイシエスト(無神論者)です。

夫とCさんは宗教についても本音で話をするそうです。異なる価値観を持っていても、お互いの考えを尊重し合っているし、基本的には人間としてお互いに好感をもっているから強い友情が育ったのでしょう。

Cさんは、夫が以前勤めていた店舗から転勤して来た現在勤めている店舗のスタッフでした。はっきり言って、ツールショップで働くには職歴も頭脳も優秀過ぎる方ですが、お父さんが認知症で介護施設に入所した頃にお母さんに脳のがんが見つかり、ご両親の世話をするために家から近くて勤務時間が短くて済むツールショップに転職されたんです。

Cさんは離婚していて現在は独身ですが、パートナーはいらっしゃいます。お母さんに脳のがんが見つかった後、自分の家は借家にして、実家でお母さんと二人暮らしをされて来ました。

ツールショップに転勤して来たうちの夫と親しくなり、うちの夫が目の病気で車の運転が出来なくなっていることを知ると、毎朝のように我が家まで夫を迎えに来て車に乗せてくださるようになりました。

Cさんの家からは随分遠回りをしなくてはいけないし、20分くらい早めに家を出ないといけなかったでしょうけど。送り迎えをしなくて済むようになった私は助かったんです。

一昨年の引っ越しの時には、何度も手伝いに来てくださいました。

Cさんは、介護施設に入っていたお父さんに毎週2〜3回会いに行っていたそうです。土曜日にはお母さんも一緒に決まったレストランで3人で食事をして、日曜日には一緒に教会に行く、そういう暮らしを続けて来たそうです。

しかし、お父さんは認知症が悪化して、昨年お亡くなりになりました。血栓による下肢の壊死や腎臓が機能しなくなったことなどで、大変ひどい人生の終わり方をされたんですけど。

脳のがんが見つかったお母さんは、認知症の症状が出始めて日常の活動が徐々に出来なくなっていると聞いていましたが、お会いして話をすると認知症とは思えないほど頭脳明晰な方でした。

最後にお会いしたのは、お父さんのお葬式の時です。弔事というか思い出話をされたんですが、聡明さに溢れた素晴らしいスピーチだったんですよ。

あれから半年が過ぎて、お母さんの状態が悪化したそうです。

日常の活動が困難になってからは、お料理も洗濯も家事は全てCさんがやって来たわけですけど、日中はCさんが仕事に出ているのでお母さんは家で一人になります。

ピアニストだったというお母さんは、好きなピアノを弾いたり(家にグランドピアノがあるんですよ!)読書をしたりして一人で過ごしておられたんですが、先日Cさんが仕事から帰宅したらお母さんは居間の床に寝転んでいたんですって。

「そんなところで何をしているの?」と聞いたら、「お昼頃に転んでしまって起き上がれなかった」とおっしゃったそうです。お昼頃から夕方までずっとそこに寝転んだまま動けなかったと。

そして先日は、外に出て家の近くを散歩していたら家に帰れなくなったそうなんです。何十年も住んでいる家の近所で道で迷ったのです。

これをきっかけに、Cさんはお母さんに施設に入ってもらうことを考えなくてはならなくなりました。そして来週、お母さんの世話から1週間の休みを取ると決めました。その間、お母さんは介護施設にトライアル入所をするんだそうです。

その施設が気に入ったら、お母さんはその施設で暮らすことになるそうです。きっとその施設にはピアノがあるんでしょう。不思議なことですが、認知症が進んでいろいろなことを忘れても、ピアノは弾けるんだそうです。

急激に認知症が悪化しているそうですから施設に入った方が賢明だし、それ以外に選択肢は無いと分かっていますが、Cさんにとってご両親は本当に大事な人達なので、お父さんがお亡くなりになった半年後にお母さんが施設に入るということはCさんにはつらいことです。

昨日のお昼休み、ランチを一緒に食べに行こうとCさんがうちの夫を誘ったそうです。そして、一緒にランチを食べながら最近のいろいろな出来事をうちの夫に話したそうですよ。

教会の仲間やパートナーの方のサポートはあるんでしょうけど、こういう時に本当に力になってくれるのが親友ですよね。

Cさんとうちの夫は、心から信頼し合っている真の友人です。お互いを尊敬し、お互いを気にかけ、本音で話し合える間柄です。こういう人に仕事場で巡り合ったのは、幸運なことですよ。


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