2017年9月24日

全国おトイレマップ

下痢の時、腹痛の波に2、3回耐えた後の切迫感で「おトイレに行かなくては大変なことになる」という焦りを感じているのにトイレに行けない場合、どんな恐怖を感じるでしょうか。

ご存知のように、「パニック障害」という病気は、パニック発作・予期不安・広場恐怖の3つを主な症状とする精神疾患です。ある日突然パニック発作に襲われます。いきなり心臓がバクバクして「気がおかしくなりそうな感覚」「死んでしまうのではないかと思うほどの身体症状」が出るため、救急車を呼ぶ人も多いそうです。

パニック発作を繰り返すと「発作が起きた状況や場所」が怖くなります。

発作について考えるだけで恐怖感に襲われる予期不安が起きるようになると、「発作が起きた場所や似たような状況」更には「発作が起きた時にすぐに逃げられない場所」を避けるようになります。

うちの娘のパニック発作は、「おトイレに行けない状況あるいは場所」への恐怖と強く関係していました。

パニック発作が頻発するようになる前から、不安神経症の様々な症状が現れていましたが、学校の教室内(授業中)でパニック発作が起き、その後「おトイレに行けない状況あるいは場所」が発作の引き金になるようになったのです。

「おトイレに行けない状況あるいは場所」に恐怖を感じるためにそうした場所を避けるようになり、次第に行動範囲が狭くなって、結果的には自宅に引きこもるようになってしまいました。

「心因性頻尿」という病気もありますが、「パニック障害」や「不安障害」が「おトイレに行けない不安」と強く結びついている場合は、実は大変多いのです。

そして、このような病気に苦しむ人にとって、「おトイレの場所を知っているということ」は、非常に重要です。

娘がパニック発作で苦しんでいた頃、たいへん役に立ったウェブサイトがあるのでご紹介します。オーストラリア連邦政府の保健省が運営する全国おトイレマップ(National Public Toilet Map)というウェブサイトです。

公衆トイレが主に記載されています。電車の駅ならどの駅でもおトイレがあるというわけではないとことが分かりましたので、私はこのマップに記載されているトイレ以外にも、バスの路線沿いや駅の近くにある簡単に(これ重要!)使用できるトイレを見つけて、オリジナルのトイレマップを作っていました。

薬物療法と平行して、このトイレマップで不安を抑えながら少しずつバスや電車で外出する練習をおこない、時間はかかりましたが何とか一人で大学に通うことができるまでに回復したのです。

しかし、病気が治ったわけではないのですよ。現在娘が一人で行動できるのは、自宅と大学の間の決まったルートと良く知っている場所だけなんです。知らない場所にバスや電車で行くというのは、まだまだハードルが高いのです。また、外出する日は、ほとんど水分を取れません。

でもね、確実に少しずつ良くなって来ています。

このブログのお読みくださっている何方かのお役に立てば幸いです。「パニック障害」や「不安障害」は治りますからね、お悩みの方はまず医者に相談してください。

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